青汁市場が拡大中、飲料と手売り業態が特に好調 伊藤園調査

伊藤園「毎日1杯の青汁」シリーズ
青汁の飲用者と飲用頻度が増加している。もともと健康に良い印象から中高年のユーザーに支えられていた青汁市場だが、粉末タイプ以外に飲料タイプや有糖の商品が充実してきたことから、「すっきり飲める」「飲みやすい」イメージが高まっている。現在、有糖商品における若年層ユーザーの増加と、手軽に飲める飲料タイプが増えたことによる飲用シーンの拡大が進んでおり、成長市場として注目されている。

青汁市場は、2016年実績が約1050億円で、2012年比30%増と大きく伸長した(伊藤園調べ、小売価格ベース)。その内訳を見ると、性状別では「粉末タイプ」が約870億円(同24%増)、「飲料タイプ」が約110億円(同177%増)、「フローズン他」が約70億円(同2%減)。また、業態別では「通信販売」が約690億円(同31%増)、「店売り」が約300億円(同68%増)、「その他」が約60億円(同42%減)となった。「飲料タイプ」と「店売り業態」が特に好調であることがうかがえる。

また、伊藤園が昨年4月に行った1000人を対象にしたインターネット調査によれば、「青汁」の購買実態(構成比)は、無糖タイプが60-70代で46%、40-50代で33%、20-30代で21%となり、有糖タイプは60-70代で32%、40-50代で33%、20-30代で35%となった。また、粉末タイプが60-70代で46%、40-50代で33%、20-30代で21%となり、ドリンクタイプが60-70代で30%、40-50代で29%、20-30代で41%となっている。

伊藤園マーケティング三部の山口哲生野菜ブランドマネジャーは、「青汁は、“有糖”と“無糖”、そして“飲料”と“粉末”で飲用層が異なるため、食い合いすることなく市場が大きく成長している。また、飲料タイプは飲用シーンが拡大しており、昼食後や帰宅中などにも飲まれている。時代の変化とともに、野菜飲料へ求める価値も変化しており、現在は野菜100%飲料や青汁など、健康価値や栄養がある“野菜”へのニーズが高まっている。当社は青汁飲料のさらなる飲用シーンの創造とともに市場拡大に注力していく」と話した。

伊藤園は、青汁飲料カテゴリーで販売数量トップの「毎日1杯の青汁」シリーズから、「ごくごく飲める 毎日1杯の青汁」(350gPET)と、栄養機能食品(ビタミンC、ビタミンE)の青汁飲料「毎日1杯の青汁 無糖」(900gPET)を2月19日から順次販売開始する。「ごくごく飲める 毎日1杯の青汁」はリニューアル商品で、緑茶のようにごくごく飲める新しい味わいが特徴。今回から超微粉砕した大麦若葉粉末に加えて、同社独自の原料である「大麦若葉汁」を使用することで、さらになめらかですっきした味わいにした。

一方、大容量の「毎日1杯の青汁 無糖」は、同シリーズ初の大容量商品。糖類や果汁などを使用せず、国産青汁素材だけで作った無糖タイプの青汁飲料だ。特許製法の「ナチュラルグリーン製法」により、着色料を使わずに素材由来の緑色を保持している。野菜高騰などの影響もあり家庭内における野菜飲料の登場シーンが増えているが、栄養も摂れる同商品の発売により、青汁飲料の家庭内需要をさらに喚起していく考えだ。

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