「クラフトボス」、新色“ブラウン”で盛夏期の新需要獲得へ ライバルはお茶・水
サントリー食品インターナショナルの「クラフトボス」シリーズは、盛夏期での新需要獲得を目指し、ブラックでもラテでもない新しいコーヒージャンル「クラフトボス ブラウン」(500mlPET)を6月19日から発売する。
「クラフトボス」は、昨年4月に「同ブラック」を、6月に「同ラテ」を発売し、販売数量は1年間で1,500万箱を突破した。好調の要因は、すっきりと飲み続けやすい味わいとスタイリッシュなパッケージデザインにより、これまで缶コーヒーを飲まなかった若年層と女性を開拓し、新規需要を獲得できたことが大きい。
缶コーヒーを中心にコーヒーの需要期は秋冬だが、昨年夏の「クラフトボス」の売れ行きが水や無糖茶に近い動きだったため、今年は「ブラック」「ラテ」「ブラウン」の3品体制で盛夏期に挑み、新たなビジネスチャンスを創造する考えだ。
「指数の高まる夏に、更なるトライアル獲得を目指す」/サントリー食品インターナショナル
新商品の「クラフトボス ブラウン」は、ミルクも砂糖も控えめにコーヒーを楽しみたいというニーズに応える味覚設計にしたという。
同社ブランド開発第2事業部の大塚匠課長は、「飲みやすさと満足感を両立させた軽やかな甘さが特徴。イメージとしては、ブラックコーヒーに、ガムシロップとミルクポーションをひとつずつ入れたような軽快な飲み口を目指した」とする。
また、新商品を盛夏に向け展開する理由については、「“クラフトボス”の月別の販売指数は、水や無糖茶に近い動きを示している。すなわち、秋冬が最盛期の既存の缶コーヒーに加え、夏場にも新たな需要を創造できると考えている。いろいろなコーヒーの飲み方をするお客様がいるので、“ブラック”と“ラテ”だけではカバーできない。“ブラウン”を含めた3品体制で、クラフトボスシリーズのさらなるトライアル喚起を夏から図っていきたい」とした。
「クラフトボス」のヒットにより、500mlペットボトルコーヒーには、他メーカーの参入が相次いでおり、市場は大きな盛り上がりを見せている。サントリー食品は、ペットボトルコーヒー市場(600ml以下)について、2020年には2015年比で2.9倍の8000万箱規模になると見込んでおり、PETコーヒーの熱い戦いは季節を問わず続きそうだ。
〈酒類飲料日報6月14日付より、一部改稿〉
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