「ウエルシア」で回収したPETボトルをPETボトルにリサイクル、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが実証プロジェクト開始
コカ・コーラ ボトラーズジャパンとウエルシアホールディングス(HD)は9月17日、PETボトルリサイクルに関する実証プロジェクトを9月23日から開始すると発表した。
この実証プロジェクトは、店頭で回収したPETボトルを新たなPET原料としてリサイクルする「ボトルtoボトル」のリサイクルモデルを、両社が共同で構築することを目的としたもの。ウエルシアHDがPETボトルの店頭回収と分別、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが分別されたPETボトルの収集から再原料化まで、一連のリサイクル工程の設計・監修を担当する。
9月23日から、ウエルシアHDが展開するドラッグストア「ウエルシア」の栃木県小山市内8店舗の店頭に回収ボックスを設置し、回収されたPETボトルはコカ・コーラ ボトラーズジャパンの「ボトルtoボトル」の取り組みを推進する協力会社の一つである協栄産業により収集される。
そして、再生PET原料を製造する専用工場(ジャパンテック宇都宮工場など協栄産業グループの工場)で粉砕・洗浄などの工程を経て、PET原料として再原料化される。3カ月間の実施期間の後、回収量、質、コストなどの検証を行い、2021年3月には対象地域・店舗を拡大した本格展開の開始を計画しているという。
今回の実証プロジェクトは、再生PET原料を製造するジャパンテック宇都宮工場に近く、家族連れが主な客層である「郊外型店舗」が多く所在する地域性を活かし、栃木県小山市内での実施になったという。家庭から回収されるPETボトルは洗浄されているものが多く、再生PET原料に適した使用済みPETボトルが集まることが見込まれる。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、コカ・コーラシステムが目指す「容器の2030年ビジョン」において、2025年までにすべてのPETボトル製品へのリサイクルPET樹脂などのサステナブル素材の使用、2030年までに販売した自社製品と同等量のPETボトルの回収、パートナーとの協働による着実な容器回収・リサイクルスキームの構築などに取り組んでいる。
一方、ウエルシアHDは近年、バイオマス原料を配合したレジ袋の有料化など石油由来プラスチックの使用量削減をはじめとした、ESGへの取り組みを拡大・強化している。そこで、これまで実施していたPETボトルの店頭回収方法を見直し、100%の再資源化を可能とする「ボトルtoボトル」の仕組みづくりを検討していたという。
このような背景から、コカ・コーラ ボトラーズジャパンが有する使用済みPETボトルの回収・再資源化に関する知見と、ウエルシアHDの販売網を連携した有効活用が期待できる、実証プロジェクトを進めることになった。両社は今回のプロジェクトを推進し、使用済みPETボトルのリサイクルに貢献し、日本国内のPETボトルの循環利用に寄与する考えだ。
〈使用済みPETボトルの回収に関する実証プロジェクト概要〉
・期間
2020年9月23日から約3カ月
・回収店舗
栃木県小山市内「ウエルシア」8店舗(ウエルシア小山羽川店、ウエルシア小山花垣店、ウエルシア小山天神店、ウエルシア小山神鳥谷店、ウエルシア小山雨ヶ谷店、ウエルシア小山犬塚店、ウエルシア小山駅南町店、ウエルシア小山西城南店)