キーコーヒーがコーヒー製品値上げ、生豆相場高騰・円安などで店頭価格20%上昇見込、10月から
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コーヒー生豆相場は、2021年2月から上昇基調となり、5月28日には約4年半ぶりとなる1ポンドあたり160セントまで高騰、7月26日には1ポンドあたり207セントまで急騰し、2014年以来の高値となるなど、今後も高値圏で推移することが懸念されている。
相場高騰の要因は、供給面では世界最大の生産国であるブラジルが裏作にあたることを背景に、昨年11月から続く降雨不足による天候不順や、コロナ禍で発生した海上輸送網の混乱などで供給不足が懸念されたことが挙げられる。
一方、需要面では世界各国において新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の回復に伴うコーヒー消費量の増加が見込まれ、5月末にはコーヒー豆の需給逼迫を織り込んだ相場水準(1ポンドあたり160セント)まで高騰していた。
こうした状況の中、7月20日にはブラジルにおける広範囲のコーヒー生産地域で1994年以来となる大規模な降霜が確認され、コーヒー相場はさらに急騰(1ポンドあたり207セント)し、今後も供給不足の解消は困難との見通しから、高値相場の長期化が懸念されている。
また、為替相場は2021年1月から円安傾向に転じ、現在1ドル=110円台と、1月よりも約9円の円安水準となり、輸入に頼るコーヒー豆の価格は上昇、調達価格に大きな影響をもたらしている。
キーコーヒーは、今回の価格改定について、「コストアップの吸収に向けた経営努力を行ってまいりましたが、今後も一段と厳しい環境が予測されており、企業内努力の限界を超える状況にまで至っております。当社は、今後も生活者の皆さまにおいしいコーヒーをお届けするために、品質維持を最優先とし、やむなく、コーヒー製品の価格を改定させていただくことといたしました」「今後も、“品質第一主義”の理念に基づき、コーヒーの持つ魅力をお届けしてまいる所存です。何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」としている。
コーヒー業界では、生豆の相場高、円安と物流費高騰などにより、レギュラーコーヒーの値上げの動きが相次いでいる。UCC上島珈琲は9月1日から、家庭用レギュラーコーヒー約40アイテムでメーカー出荷価格の改定を実施し、小売店の実質店頭価格は20%程度上昇する見込みとした。業務用レギュラーコーヒーも9月から納入価格を順次改定するとしている。
味の素AGFも、10月1日納品分より、家庭用レギュラーコーヒー14品種と、通信販売限定レギュラーコーヒー26品種の価格改定を実施することを発表している。