「三ツ矢」と「ウィルキンソン」の年間販売数量が過去最高、在宅時間増加でリフレッシュニーズ高まる/アサヒ飲料
2ブランドとも、炭酸飲料ならではのおいしさや情緒的価値を提供することに取り組み、かつ、在宅時間の増加で高まっているリフレッシュと爽快のニーズを捉えたかっこうだ。また、「三ツ矢」は発売から138年目、「ウィルキンソン」は118年目の100年を超えるロングセラーブランドであることから、購入する際に品質の良さなどブランドへの信頼感が強いことも選ばれる背景にある。
「三ツ矢」ブランドの好調要因について、同社は特に「三ツ矢サイダーレモラ」の伸長を挙げる。「三ツ矢サイダーレモラ」は、有糖炭酸の“おいしさ”と無糖炭酸の“さっぱり”を兼ね備えた、甘すぎないハイブリッドな炭酸飲料として2021年3月から本格的に発売された。その結果、レモンの爽やかな香りにライムフレーバーのアクセントを効かせた味わいが支持され、2021年は2020年の約10倍となる351万箱を販売し、2021年の目標販売数量300万箱に対して目標比117%となった。
コミュニケーションでは、2021年11月から「Hey!Say!JUMP」を広告キャラクターに起用し、新聞や交通、デジタルを中心とする広告展開で顧客との接点を拡大したことも好調につながったという。販促では、3月28日の「三ツ矢の日」の時期に、一部店舗のイベントで非接触型のリモート接客を行った。今後も「三ツ矢サイダー」に次ぐ、「三ツ矢」ブランドの第2の柱に「三ツ矢サイダーレモラ」を育成していく考えで、2022年3月22日には中味とパッケージを刷新しリニューアルする。
3月22日にリニューアルする「三ツ矢サイダーレモラ」
一方、「ウィルキンソン」ブランドの好調要因については、1LPET商品と「ウィルキンソン タンサン レモン」の伸長、そして、フレーバー商品の飲用をきっかけにした定番商品の飲用機会の拡大を挙げる。
在宅時間が多くなる中で、「気分をすっきりさせたい」「リフレッシュしたい」という意識や、コロナ太りなどを気にした健康意識の高まりから無糖炭酸飲料の需要が高まった。そして、2021年は、他社からの大型新商品の発売によって炭酸水市場が活性化され、市場拡大につながったという。その中で「ウィルキンソン」は、「刺激、強め。」という独自の価値を武器に、14年連続で過去最高売上を更新したという。
フレーバー商品の展開では、3月に「ウィルキンソン タンサン グレープフルーツ」、4月に「ウィルキンソン タンサン ウメ」、7月に「ウィルキンソン タンサン ピーチ」、9月に「ウィルキンソン タンサン マスカット」、12月に「ウィルキンソン タンサン ライム」を継続して発売した。これにより、普段「ウィルキンソン」を飲用しないユーザーが、フレーバー商品の飲用をきっかけに、その後も定番品である「ウィルキンソン タンサン」「ウィルキンソン タンサン レモン」を新たに飲用するという好循環につながったという。
アサヒ飲料は、「急速に変化する時代やニーズに対応したマーケティング活動を行うことにより、炭酸飲料2ブランドのさらなる価値向上と飲用機会の拡大に取り組んでいく」としている。