「ボトルtoボトル」水平リサイクルに広がり、サントリー食品とオークワが協働し大阪府内19店舗で実施、キリンビバレッジも東武鉄道と33駅で取り組み開始へ
水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として用いて同一種類の製品につくりかえるリサイクルのこと。
サントリー食品インターナショナルは、5月にも食料品を中心としたスーパーマーケット事業を展開するヤオコー(1都6県で展開)と「ボトルtoボトル」水平リサイクルを開始しており、流通企業との協働に注力している。
オークワとサントリー食品インターナショナルは、「リサイクル適性が高く、再資源化の仕組みが整っているペットボトルを資源として循環させていくことで持続可能な社会の実現に貢献する」という思いが一致したことで、協働に至ったとしている。
さらに、オークワでは、使用済みペットボトルの店頭回収効率化と資源循環化推進を目的に、店頭にペットボトル減容回収機「ボトルスカッシュ」(寺岡精工社)を、大阪府の15店舗に順次導入する。
回収機は、缶・ビン、中身の残ったボトルなど、不適切な投入物の自動検知システムと、ペットボトル容積を約3分の1にする減容圧縮機能がある。回収するペットボトルの資源価値を高め、「ボトルtoボトル」水平リサイクルを促進するねらいだ。
他方、キリンビバレッジは7月27日、東武鉄道と協同し、「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを東武東上線33駅で8月3日から開始することを発表した。東武鉄道路線内に設置されているリサイクルボックスの回収を一括して行う枠組みと、 路線内で集まったペットボトルを再びペットボトルへ再生する循環サイクルを共同で構築して運用していく。
具体的には、東武ビルマネジメント社が、 東武東上線各駅のキリンビバレッジの自動販売機の横に設置されているリサイクルボックスから使用済みペットボトルを回収し、木下フレンド社で中間処理を行い、 リサイクル業者である豊通ペットリサイクルシステムズ社に供給した上で、キリンビバレッジが再原料化・再生PETを使用した容器の飲料製造を行う。
この枠組みを適用することで、 キリンビバレッジのリサイクルボックスの回収コストの低減と中間処理までのルートの効率化が可能となり、 より低コストでの「ボトルtoボトル」が実現するという。
「ボトルtoボトル」水平リサイクルは徐々に広がっている。今年はオフィスビルや自販機横のリサイクルボックスにおける取り組みが目立っていたが、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業や鉄道事業など身近な場所での取り組みが進むことで、生活者にも認知が広がりそうだ。
「ボトルtoボトル」水平リサイクル イメージ