食品ギフト 中元・歳暮減少も市場全体は拡大 カジュアル化進展し”気軽”に
(株)矢野経済研究所はこのほど、国内食品ギフト市場に関する調査結果をまとめた。2017年8月~2018年2月に国内のギフトメーカー・卸、小売業(百貨店、量販店、専門店、通販)等から調査したもので、小売金額ベースでの2017年の市場規模は、前年比2.8%増の4兆1,000億円と推計した。国内ギフト市場は近年、中元・歳暮等の儀礼的ギフトは減少傾向にあるものの、ギフトのカジュアル化が進展し、食品においても贈る相手を想ったギフト、ちょっとしたギフト、気軽に贈るギフトが増加傾向にある。
東日本大震災以降、日本国内で「絆」が見直されたこともあり、より身近な人に贈る食品ギフトや、「一度自分でも試してから送りたい」「自分へのご褒美」等のパーソナルギフトが増加しており、市場規模も、2014年3兆6,920億円、2015年3兆8,460億円、2016年3兆9,900億円、2017年4兆1,000億円と堅調に拡大している。同研究所では「今後もこの傾向は続く見通し」とし、2018年の国内食品ギフト市場規模は前年比1.2%増の4兆1,500億円と予測している。食品アイテム別の動向は次の通り。
<加工食品>原材料費高騰などで、以前の商品サイズ、ラインアップを維持するのが難しくなっているところもあり、商品サイズの縮小や、代替品を用意するなど、メーカー各社とも原材料高騰対策を講じている。
<菓子類>季節によって変わる商品・パッケージで、常に新鮮さを感じられるほか、商品の種類が豊富なことから様々なオケージョンで菓子類がギフトに選ばれている。
<調味料・食用油>食用油ギフトでは、健康・美容に良いとされるオリーブオイルのギフトセットが拡大を続けており、各社ともオリーブオイルセットを中心にした展開を行っている。調味料では、健康志向の高まりに伴い、減塩や無添加素材のものなどの人気が高まっている。
<生鮮食品>インターネットの普及で、ECサイトでの「お取り寄せグルメ」の需要が年々高まっている。
〈米麦日報 2018年3月16日付より〉
【関連記事】
・姫路の小売地図が変化 ヨーカドー跡にドンキ、「ザ・モール姫路」経営は西友からイズミへ
・中小コンビニ、「大手にできない」施策で存在感 熱狂的ファンを開拓へ
・コーヒーの消費量 6年ぶりに減少も、”拡大傾向”は継続
・ノンアルビールの出荷、”08年比15倍” 背景に技術向上、各社は販売拡大を計画