スーパー7社19年2月期中間決算、災害相次ぎ西日本・北日本で業績下振れ、首都圏食品スーパーは猛暑で好調

大手スーパー7社の2019年2月期第2四半期決算(単体)は、豪雨や台風などの災害が相次いだ西日本や北日本で業績が下振れした。他方、猛暑で夏物が伸長した首都圏のSM(食品スーパー)は好調だった。積極的な出店を継続するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH、東京)、ライフコーポレーション(東京)のSM2社が揃って増収となり、業界3位、4位にそれぞれ浮上した。一方、不採算店の閉鎖を進めるGMS(総合スーパー)のユニー(愛知)は前年第2四半期末より直営店が9店減り、3位から5位へ後退した。

中四国・九州で大型ショッピングセンター「ゆめタウン」を展開するイズミ(広島)は7月の西日本豪雨、7~8月に西日本へ相次いで上陸した台風の影響で、「客数と不要不急の買物が減り、衣料品を中心に苦戦した」(向井貴志イズミ財務部財務課課長)という。SM子会社への商品供給も減り、売上高の未達分を粗利の改善で補えずに減益となった。

東北から中四国までGMSを展開するイオンリテール(千葉)は、第2四半期としては5期連続の赤字に終わった。ただ、値下げロスの削減、利益率の高いPB(プライベートブランド)商品の拡販、夕夜間の強化などの営業施策が奏功し、営業利益は前期より約30億円改善している。また、首都圏を中心に猛暑の恩恵も受けた。一方で6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、8月には東北地方でも豪雨になるなど、地域ごとに既存店の業績を押し下げる要因も重なった。

北海道・東北でSMを展開するアークス(北海道)も天候不順が重なった。3月上旬に記録的な雪と雨の被害があり、7月は昨年の2倍の降水量を記録した。本州が猛暑の一方、北海道は冷夏と多雨で既存店売上高はマイナスに終わった。新システム稼働によるコスト削減、売上総利益率の改善などでかろうじて増益を確保した。

USMHとライフは、第1四半期に客数が低迷したが、第2四半期は猛暑の恩恵もあり回復した。USMHは傘下のマルエツ(東京)、カスミ(茨城)、マックスバリュ関東(東京)の仕入れやシステムの統合を進めており、それらの効果で2ケタ増益を確保した。一方でライフは新規出店が7店(前年上期は3店)と設備投資がかさんで減益となったが、既存店売上高は客数・客単価ともに前年をクリアし、第2四半期としては5期連続のプラスとなった。

イトーヨーカ堂(東京)とユニーのGMS2社は、不採算店の閉鎖で減収となったが、営業利益は大幅に改善した。イトーヨーカ堂は低迷する非食品売り場の縮小も貢献した。ユニーは既存店6店を今春、資本・業務提携するディスカウントストア「ドン・キホーテ」のノウハウを導入したダブルネーム店に転換して別会社に移管した。そのため直営店が減り、減収となったが、ダブルネーム店は売り上げが9割増、客数と粗利が6割増となった。直営店にもドン・キホーテのノウハウを導入し、既存店の業績も上向いてきている。

〈食品産業新聞 2018年10月25日付より〉