無印良品「コオロギせんべい」通販開始、“コオロギの味を活かしたシンプルな味わい”

無印良品「コオロギせんべい」
〈国内生産で安全性を確保〉
「無印良品」を展開する良品計画は5月20日、「コオロギせんべい」をネットストア先行で発売した。55g、税込190円。

「コオロギせんべい」は徳島大学の研究をベースに飼育した熱帯性の「フタホシコオロギ」を使用。全てのコオロギを衛生的な環境で飼育し、えさの把握などを行った安全な環境で飼育しているという。

おいしく食べられる工夫として、コオロギをパウダー状にしてせんべいに練りこみ、コオロギの味を活かすために余計な原料を使わずに、シンプルな配合にしている。エビのような香ばしい風味が特徴。原料から製品の製造までを日本国内で行っいるので、安全性も確保され供給面についても安定した体制を整えている。

なお、食用コオロギパウダーは、えびやカニなどの甲殻類と類似した成分を含んでいるため、えびやカニのアレルギーを持つ人は食べないように注意を呼びかけている。

〈なぜコオロギを食材に?〉
「コオロギせんべい」は、コオロギ研究の第一人者である、渡邉崇人博士(徳島大学大学院 兼 徳島大学発ベンチャーCEO)と協業し開発したもの。渡邉博士は2016年からコオロギの応用研究として「栄養素・アレルギーなど安全に関する研究」「大量安定供給の実用化」についても研究しており、今回の無印良品との「コオロギせんべい」開発に至った。

開発のきっかけとして良品計画 食品部の山田達郎さんは、2019年秋にフィンランドで無印良品を出店した際、現地のスタッフからコオロギの菓子を紹介されたことからコオロギに注目したと語る。

コオロギは牛や豚、鶏などと比較したんぱく質量が多く、必要なエサ・水の量や温室効果ガス排出量が少ないコオロギは国連食糧農業機関(FAO)も食糧としての活用を推奨。コオロギを含む昆虫食は世界中で食糧危機への対策として注目されているという。

従来の家畜とコオロギの比較

牛・豚・鶏とコオロギの比較

飼育の省スペースや約35日で成虫になるという成長の早さ、雑食性であるがゆえの飼料負担の少なさなどの点も優れるコオロギは、今後の世界の食糧事情に一石を投じる存在になりそうだ。