良品計画、昆虫食やジビエ食を通じ社会問題にアプローチ
無印良品は「わけあって、安い」をキャッチフレーズに1980年、西友のプライベートブランドとして誕生した。商品開発のテーマは生活の基本となる本当に必要なものを必要な形で作ること。素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略化し、シンプルなものによる「感じ良いくらし」を提案してきた。
エシカルな視点は社会で起きている様々な課題にも向けられ、人口増による今後の食糧確保、環境問題を考えるきっかけになればという思いから、主要な栄養素を効率よく摂取できる昆虫食に至った。コオロギは飼育しやすく、味がエビに似ていることから、せんべいという形態になった。
ジビエカレーは人間との共生の中で生息数が多くなり過ぎた猪や鹿を食材として活用することで、日本の農耕地の保全や里山の循環につなげ、これらの課題を知ってもらおうという考えから、「カフェ&ミールMUJI」で外食メニューとして提供している。将来はレトルト商品としての販売も検討している。
〈食品産業新聞 2020年12月7日付より〉