「アレルギーEXPO」開催、一般・ビジネス4千人超が来場
(一社)日本環境保健機構、(一社)環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク主催、(一社)地域防災支援協会共催。今年で第3回目を迎えた「みんなのアレルギーEXPO」は、アレルギーなど環境由来の健康問題に対しての思いや意見に耳を傾け、未来を育む子ども達や、社会全体にとって希望の場となることを目指す展示会。従来は親子連れの一般来場者が9割近くを占めていたが、今回は「災害時の住環境・生活環境EXPO」と同時開催ということもり、商談を目的としたビジネス来場者が約4割を占めた。総来場者数も前回から飛躍的に増え、延べ4000人以上に達した。「災害時の住環境・生活環境EXPO」では、災害時の支援物資におけるアレルギー対応や実践的な防災対策について、企業・団体、行政関係者に有益な情報を提供した。
〈家庭の食卓や学校給食で同じ食事ができる幸せを〉
「アレルギーEXPO」は、一般・ビジネス双方のニーズに対応したアレルギーの総合展示会で、衣食住の各テーマで企業・団体が出展。展示会の目玉となる食品エリアには、今回も多くの食品メーカーが出展し、自社のアレルギー対応食品やサービスについて、試食提供などを行いながら丁寧に説明した。
東北日本ハムは、特定原材料7品目を使用せず、食物アレルギーに対応した専用工場で作った「みんなの食卓」シリーズを出展ブースで紹介。山形県産はえぬきを100%原料に使った「米粉パン」を試食提供した。
マリンフードは、アレルギー特定原材料27品目、動物性原料不使用の「私のとろ~りとろけるヴィーガンシュレッド」「同ソフト」シリーズを紹介。ピザやグラタンなど、同シリーズの汎用性の高さを、試食提供を交え訴求した。ヴィーガンとは、ベジタリアンの中でも、特に衣食住の生活すべてにおいて動物性の使用を避けている完全菜食主義者を意味する。
また、ハウス食品では、特定原材料7品目不使用のバーモントカレーやシチューミクスなどの家庭用製品に加え、特定原材料27品目不使用の「みんなの給食」シリーズを紹介した。
アレルギー対応の同社シチューに対して「この商品のおかげで、シチューの味を生れて初めて知りました。こんなにおいしい食べ物だったのですね」という来場者の声に、同社社員は目を潤ませていた。
食物アレルギーの罹患率は1990年代以降、急激に増えている。こうした状況に対して、近年の食品業界では食物アレルギーへの対応を強める動きが広がっている。家庭の食卓や学校給食で、皆がそろって同じものを食べられる幸せを実現したいとの熱い思いからだ。
会期2日間を通して、多くの来場者でにぎわった今回の「アレルギーEXPO」。小さな子を連れ、真剣な表情で食品メーカー担当者の製品説明を聞く母親たちの姿が印象的だった。
〈食品産業新聞2017年10月26日付より〉