ヒューコン、スチールベルト導入を積極提案 清掃・検品の効率向上
スチールベルト機器の製造・販売を行うヒューコン(横浜市西区、大藤潤代表)は、食品業界でのステンレススチールベルトを使用したコンベアの導入提案に積極的に取り組む。食品業界での装置販売としては初の投入、加工、包装までの全工程を一括しての受注を目指す。また、導入しやすさに配慮した新商品の「食品用インラインプリンター」などのスチールベルトの特長を生かしたユニットの販売、開発も行ってゆく。
同社は、半導体や電子部品製造現場などでのスチールベルト販売実績を持ち、クリーンな環境を維持する機器の供給に強みを持つ。発塵が少なく、ごみを吸い寄せないなどの特長から、衛生管理が要求される食品製造現場のニーズを満たす。
多くの利点があるものの、「使ったことがない、現在使用しているもので不便がないなどの理由でなかなか広まらなかった」(同社)という。
スチールベルトは、従来の樹脂ベルトに比べ、しみ込みがなくふき取りが容易で清掃、洗浄の利便性が高い。樹脂ベルトでは、洗浄後の乾燥に時間がかかることもあり、作業時間の短縮にもつながる。残留による品質への影響や、ほつれによる異物混入を防ぐ点でも優位性を持つ。洗浄や検品での効率向上、時間短縮は人手不足の中で重要だ。
食品関連へのスチールベルトの供給は2012年に開始、ハンバーグの製造ライン、ゴボウの搬送、お弁当の詰め込みなどの導入実績を持つ。ゴボウの搬送では、穴あきのベルトを使い水分を落としゴボウを吸着するなど、顧客の要望に沿った対応が可能だ。
新商品のインラインプリンターは、スチールベルトを活用した一体型ユニットで、樹脂ベルトを使った場合に比べ、インクがベルトに落ちた場合にもふき取りがしやすく、色移りがない。工程の一部をスチールベルトに変更するより導入が容易なため、ユニットでの販売を開始した。
〈食品産業新聞 2019年2月18日号〉