「デニーズはカラダに、おいしい」掲げ健康軸拡充、「ハンバーグ王決定戦」開催も/セブン&アイ・フードシステムズ
セブン&アイ・フードシステムズは3月12日から、「デニーズはカラダに、おいしい」のメッセージを掲げ、主力業態のファミリーレストラン「デニーズ」で「健康」を基軸にしたメニューを拡充している。
十六穀米を配合し、白米より糖質を35%カット、1日に必要な食物繊維が70%以上摂取できるご飯、新鮮な野菜とハーブ鶏などの良質なたんぱく質を摂取でき、1品で食事にもなるサラダを投入する。
このほど都内の本社で記者説明会を行った同社の鎌田靖取締役執行役員商品本部長は、3年前までセブン-イレブン・ジャパンの商品本部長を務めていた。デニーズがセブン-イレブンと違う点について鎌田本部長は、「サラダを皿に盛って出せる。キッチンがあり手作りの美味しいものが提供できる。接客や調理などによる価値訴求」と話し、ファミレス業態の再活性化を宣言した。
左から「十六穀米の和風ロコモコごはん」「チキン南蛮と十六穀米のサラダごはん」「十六穀米のベジタブルカレー」
健康軸で投入するメニューは“レタス7個分の食物繊維”を含む「十六穀米のベジタブルカレー」(税抜き799円)、国産野菜や五種豆、ポテトサラダやナッツなどにローストビーフ、ハーブ鶏のローストチキン、生ハムと3種の肉をトッピングして20品目以上の食材を盛り合わせた「プレミアムパワーサラダ」(949円)など。メニューには食物繊維や糖質の量も明記する。
上段=「PREMIUM パワーサラダ」、下段左から「ハーブ鶏のローストチキンとケールのサラダ」「ローストビーフとケールのサラダ」「生ハムとケールのサラダ」
デニーズは1974年にイトーヨーカドー上大岡店(横浜市、現在は閉店)内に1号店を出店し、今年創業45周年を迎える。24時間営業、コーヒーのお替わり無料サービス、ナタデココ発売など数多くのファミレス業界初の取り組みを行って業界をけん引してきたが、鎌田本部長は「過去の成功体験を標準化してはいけない」とし、常に「品質、価格、新しさ、品揃えに現場力を加えた5要素で価値を訴求していく」と話した。
他の大手外食はセントラルキッチン(自社工場)を持ちコストダウンを図っているが、デニーズはセントラルキッチン持たないことが強みだと鎌田本部長は説明した。「自社工場を持つと新商品の投入などが遅れる。稼働率の低下や新たな投資が必要になるからだ。セブン-イレブン同様、技術と知見を持つメーカーと組むチームMDで、顧客の変化に対応していく」と述べた。
〈「ハンバーグ王決定戦」も展開〉
さらに、デニーズでは45周年を記念し、売り上げの15%を占める主力メニューのハンバーグで6品目を用意し、SNSで投票できる「ハンバーグ王決定戦」を3月12日から5月中旬まで開催している。また、同社の得意分野のデザートで大粒のいちご「あまおう」を使用したサンデー、パンケーキ、ガレットなどを100店舗限定で販売する。
デニーズ45周年記念「ハンバーグ王決定戦 2019 春」イメージ
昨年12月には、既存店を改装して高級実験店「デニーズダイナー八雲店」(東京都目黒区)を開業した。「この先家族の形態が変わっていく。デニーズがどう変わるべきかをコンセプトに30~40代のプロジェクトチームで考えてもらった店舗」(鎌田本部長)という。4月中に既存店の改装で都内に2号店を出すが、「デニーズの店名を使わない新ブランドにする」(同)という。