ワタミが人材派遣会社「ワタミエージェント」設立、コロナ禍で休業中の従業員の多様な働き方を推進
外食事業などを展開しているワタミは5月20日、IT book ホールディングス(本社:東京都中央区)の100%子会社であるi-NEXTを、ワタミの子会社とする譲渡契約を締結し、人材派遣会社「ワタミエージェント」を設立した。これにより、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて休業中の外食店舗に勤務する従業員(パート・アルバイト含む)に派遣先を提供することで、多様な働き方の推進と雇用の維持に努める考えだ。
緊急事態宣言を受けて、外食産業は営業ができない、大幅に売り上げが減るなど大きな影響が出ている中、ワタミでも4月13日から国内外食店舗約400店舗を休業していた。同社によれば、休業する店舗に勤務する従業員は、自宅で待機しており、緊急事態宣言が解除されても、しばらくの間は以前同様の勤務状態を確保することは難しいと考えられるため、従業員の雇用の維持と、安定した収入の確保が課題となっているという。
同社は、今月から食品スーパーに社員が出向する取り組みも開始しているが、パート・アルバイトの雇用の確保も喫緊の課題になっている。この課題解決に向け、派遣会社を設立して店舗に勤務する従業員の働く場を確保するねらい。
ワタミは、「現在、ワタミに対して、さまざまな業種の企業から“働く場を提供するので社員を派遣してほしい”といった要望が寄せられています。ワタミでは、こうした要望に応えることで労働者派遣事業を展開する企業をグループ会社化し、新たに派遣事業を行っていく中で社会課題の解決に取り組んでまいります」としている。