持ち帰り寿司「京樽」初の全商品リニューアル、京都“美山荘”四代目監修「鯛茶きん鮨」「胡麻香る 鯛ちらし」など展開

中東氏監修「鯛茶きん鮨」「胡麻香る 鯛ちらし」/京樽
持ち帰り寿司「京樽」は、創業以来初の全商品リニューアルを実施した。10月19日から「京樽」「京樽・スシロー」全店舗で新メニューを展開している。

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今回の商品リニューアルでは、看板商品「茶きん鮨」をはじめとした、約全50アイテムを刷新。ネタやしゃり、調理工程、店舗での温度管理まで全てを見直したという。一部、価格の異なる店舗、取り扱いのない店舗がある。

目玉となるのは、ミシュランガイドで二つ星を獲得している京都の老舗料理旅館「美山荘」四代目主人の中東久人(なかひがしひさと)氏が監修した「鯛茶きん鮨」と「胡麻香る 鯛ちらし」だ。10月19日のメディア向け試食会で中東氏が商品開発のこだわりを説明した。

〈ミシュラン二つ星「美山荘」中東氏監修「鯛茶きん鮨」「胡麻香る鯛ちらし」〉
「鯛茶きん鮨」(1個300円、以下税込)は、京樽で約70年前から販売する看板商品「茶きん鮨」を大幅にリニューアルしたもの。鯛のアラからとった出汁で炊き上げ、鯛の身やゴボウ・山椒を合わせた混ぜしゃりを、うす焼きたまごで包んでいる。

京樽「鯛茶きん鮨」(美山荘・中東氏監修)

京樽「鯛茶きん鮨」(美山荘・中東氏監修)

従来の茶きん鮨はひと口で食べるには大きく、ばらして食べる形となっていた。今回の大幅リニューアルでは、ひと口で全ての素材の味を味わえるかつ、食べる所作も美しくなるよう、サイズを小さくし、たまごの包み方を変えている。うす焼きたまごは、よりたまごの味をしっかり感じられるように、黄身と白身を調整。木の芽(山椒の若葉)で味をまとめるとともに、見た目も可愛らしく仕上げたという。なお、従来の茶きん鮨も「京樽伝統の 茶きん鮨」として1個220円で取り揃えている。
 
「胡麻香る 鯛ちらし」(890円)は、裏側にごまだれを塗った鯛の切り身に、イクラやすだち、三度豆(さんどまめ、いんげんの別名)をあわせた新商品。ひと口で食べる寿司と異なり、ちらし寿司のため“飽きないしゃり”を目指し、従来のしゃりの配合から変えたという。鯛のあっさりとしたうま味にコクを出すため、少し酢を加えた“ごまだれ”を採用。切り身の両面に塗ってしまうと、時間が経った際に表面がかさついてしまい、華やかな見た目を損なうことから、裏面にのみ1枚1枚手作業で塗っている。舌にある味蕾(みらい)がうま味をより感じられるよう、酸味のあるすだちを合わせ、唾液の分泌量を促すといった工夫も施している。

京樽「胡麻香る 鯛ちらし」(美山荘・中東氏監修、通常は持ち帰り用容器で販売)

京樽「胡麻香る 鯛ちらし」(美山荘・中東氏監修、通常は持ち帰り用容器で販売)

〈「押すし」は小さく、1貫から選べるように〉
中東氏監修商品の追加以外に、主な変更内容では、押すし(おしすし)をリニューアルしたほか、詰め合わせ商品「KYOTO style」をラインアップに加えた。
 
京樽の商品開発者によると、従来の押すしには「大きくてどう食べて良いのか分からない」「いろいろな種類を楽しみたいがおなかいっぱいになってしまう」といった課題が内在していることが分かったという。

京樽「鱒押すし 柚子風味」「鰻押すし」「真鯛押すし」各1貫100円

京樽「鱒押すし 柚子風味」「鰻押すし」「真鯛押すし」各1貫100円

今回のリニューアルではサイズを小さくし、好きな押すしを1貫から選べるようにした。価格は1貫100円。ラインアップは、定番の「バッテラ」「鰻押すし」のほか、「真鯛押すし」「鯵押すし」「金華鯖押すし」「やわらか穴子押すし」などで、季節ごとに一部商品の入れ替えを行う。マダイやアジは、軽く酢にくぐらせるだけなど、生に近い素材も取りそろえているのが特徴だという。

京樽「押すし」(1貫100円、ラインアップは季節により異なる)

京樽「押すし」(1貫100円、ラインアップは季節により異なる)

〈「KYOTO style」で新スタイルの“上方鮨”を提案〉
「KYOTO style」は、ひと箱に彩りゆたかな鮨(すし)を詰め合わせ、新しいスタイルの“上方鮨”を提案するシリーズ。江戸前鮨で人気のマグロやマダイも取り入れ、色鮮やかに仕上げている。ラインアップは、市結(いちゅう、650円)、紫乃(しの、800円)、雛菊(ひなぎく、990円)。

京樽「KYOTO style. 雛菊(ひなぎく)」

京樽「KYOTO style. 雛菊(ひなぎく)」

〈スシローグループのシナジーで“新しい京樽”へ〉
なお、2022年に創業90年を迎える京樽は、2021年4月にあきんどスシローなどをグループに持つFOOD&LIFE COMPANIESの完全子会社となった。グループを横断した合同キャンペーンの展開のほか、7月には『京樽』と『スシロー』のダブルブランドとしてテイクアウト専門店「京樽・スシロー」をオープンし、同店は現在14店舗を展開(10月19日時点)。
 
京樽の石井憲社長は新商品試食会で、「京樽の伝統は守りつつ、FOOD&LIFE COMPANIESの調達力や商品開発力によって磨きをかけ、新たな挑戦や革新性を盛り込み、お客様にさらに愛されるおいしい商品作りをしていきたい」と意気込みを語った。

美山荘・中東氏、京樽・石井社長(京樽新商品試食会)

美山荘・中東氏、京樽・石井社長(京樽新商品試食会)