スタバ「皇居外苑 和田倉噴水公園店」オープン、樹脂製グラスなど使用で“使い捨て”75%削減、商品陳列なしでフードロス対策、限定“和三盆”ドリンク提供も/スターバックス コーヒー
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同店は、環境省が管理する皇居外苑 和田倉噴水公園内に位置する。大きな噴水を目の前にしたロケーションを楽しめるほか、環境負荷の低減を目指す取り組みを導入・検証する「サステナビリティ ハブ(拠点)」としての役割を担う。
店舗の特徴には、「廃棄物の削減を追求したカフェスタイルの提案」「循環性を重視した店舗デザイン」「水循環システムの導入」や、店舗限定ドリンクの販売などがある。
「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」内観
〈使い捨てカップ・フードロス削減を追求〉
「廃棄物削減を追求したカフェスタイルの提案」では、使い捨てカップとフードロスの削減を目指す。
使い捨てカップ削減を目指すリユーススタイルを提案/スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店
店内利用は「マグカップ」か「樹脂製グラス」、テイクアウト(持ち帰り)では繰り返し使える「リユーザブルカップ」、丸の内エリア10店舗で実施している「借りるカップ」、マイタンブラーやマイカップの利用を推奨する。これにより、通常店舗と比較して、使い捨てカップの使用量約75%削減を見込む。ただ、利用客の利便性にも配慮し、希望者や一部のメニューでは、使い捨て資材で提供するという。
店内でのフラペチーノなど冷たいドリンク提供時に使用する「樹脂製グラス」
マイタンブラーやリユーザブルカップ、借りるカップは、22円割引となる(持ち帰りは21円引き)。また、リユーザブルカップは、通常店舗では180円(以下税込)で販売しているところ、「皇居外苑 和田倉噴水公園店」では110円(カップ割引・商品値引適用後の価格)で販売。
フードロスの対策では、スイーツや軽食などの陳列ケースを設置せず、デジタルサイネージで商品を表示する。例えばケーキやドーナツなどは、陳列の際に袋から開封する必要があり、開封から数時間という期限がある。陳列しない場合は注文を受けてから開封するため、廃棄の削減につながるという。
注文を受付けるレジカウンターに陳列ケースはなく、デジタルサイネージを設置
また、店舗外には皇居周辺のランナーにも配慮した無料給水スポットも設置している。
店舗外のマイボトル給水スポット
〈内装にはリサイクル素材を使用〉
「循環性を重視した店舗デザイン」では、内装にリサイクル素材を積極的に活用。床の一部のタイルは、コーヒーの豆かすを練りこみ、焼かずにCO2を固定化する製法で作られたもの。そのほかにも、廃棄されてしまうキャンバスを使ったコーヒー産地の山並みをイメージしたアート、漁網を再利用したインテリア、廃棄される蛍光管ガラスを使った照明など。
漁網を再利用したインテリアと蛍光管ガラスを使った照明
家具は、古くなったら買い換えるのではなく、修理しながら長く使い続けることを想定し、国産木材100%使用のものを選んだという。
国産木材100%使用の家具/スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店
また、今回の「皇居外苑 和田倉噴水公園店」は、もともとあった別の施設を改装して出店している。梁(はり)や床など大部分の内装はそのまま活用し、バックヤードの一部壁の取り壊しなどによって出た廃棄物は、全てリサイクルしている。約85%は、鉄や紙の原材料としてマテリアルリサイクルに、約15%はバイオマス燃料などのサーマルリサイクルに回したという。
〈水を再利用する手洗い場を設置〉
「水循環システムの導入」では、水を再利用する手洗い場を飲食エリアに設置している。自律分散型水循環システムを開発するWOTAとの協業によるもので、手洗いなどに使用する水の98%以上を循環利用するという。手洗い場にあるデジタルサイネージでは、エネルギー消費量などの表示やコーヒー生産地での取り組み映像を流す。
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飲食スペースにある手洗い場は水循環システムを搭載
〈店舗限定ドリンクは“和三盆”〉
「皇居外苑 和田倉噴水公園店」のオリジナルドリンクは、和を感じる味わいの「和三盆 アーモンドミルク フラペチーノ」(Tall持ち帰り648円、店内660円)と「和三盆 ムース フォーム アーモンドミルク ラテ」(アイス・ホットTall持ち帰り540円、店内550円)。いずれもアーモンドミルクと乳を使っている。
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左から「和三盆 ムース フォーム アーモンドミルク ラテ」、同アイス、「和三盆 アーモンドミルク フラペチーノ」
〈環境配慮店舗として国際認証を取得〉
「皇居外苑 和田倉噴水公園店」は、スターバックスが世界自然保護基金(WWF)と共同策定した、環境に配慮した店舗のための国際認証「Greener Stores Framework」を取得した日本1号店となっている。認証の要件は、エネルギー効率、水の管理、責任ある素材の調達、廃棄物削減、再生可能エネルギーなど。
北米ではすでに2,300店舗で、同フレームワークを導入したグリーナーストアを展開している。日本においても、「皇居外苑 和田倉噴水公園店」をきっかけに、2022年10月以降に出店する新店は、この基準を満たしたグリーナーストアの開業を順次目指すという。
11月29日に実施したメディア発表会で、スターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEOは、「皇居外苑 和田倉噴水公園店」について、グリーナーストアというベースの導入に加え、これからのスターバックスコーヒージャパンのサステナビリティなアクションをリードしていく店舗という位置づけだと説明。
スターバックスコーヒージャパン水口CEO
「商品作り・店舗開発・人材育成・お客様へのサービスといった全てのビジネスの要素に、サステナビリティを取り込んでいきたい。サステナビリティをビジネスと切り離すのではなく、組み込んでいくことによって、サステイナブル(持続可能)なサステナビリティが達成されると信じています」。
「これからのビジネスでは、お客様や働いているパートナー、地域の皆さまから、共感していただける企業姿勢やブランド姿勢というのが大切だと考えており、それ自体がビジネスの成功につながっていくと思っています。これからも我々は多くの方の共感を生み、長く愛され続けるブランドとして、利用して良かったと思っていただけるような、意義のあるビジネス成長を目指していきます」と話した。
〈「スターバックス コーヒー 皇居外苑 和田倉噴水公園店」概要〉
◆住所
東京都千代田区皇居外苑3-1/TEL:03-6273-4844
◆開店日
2021年12月1日(水)
◆営業時間
7:00~21:00
◆面積
401.62m2/席数:84席