双日、タイで業務用食品卸に参入 食品加工機能で差別化

双日は13日、タイにおける業務用食品卸事業に参入すると発表した。タイの大手缶詰製造会社ピース・カニング(The Peace Canning (1958) Co., Ltd.、以下PCC)から、PCC子会社で業務用食品卸のエフビー・フードサービス(FB Food Service (2017) Ltd.、以下FBF)の株式を43%取得した。今後FBFにセントラルキッチン事業を新たに加え、他の卸事業者との差別化を図りながら、2020年に売上高100億円を目指す。

FBFはPCCの製造する缶詰の卸事業のほか、ホテル、レストラン、ケータリングなどの外食産業向けに多様な食品を配送する業務用食品卸事業を展開している。また畜肉、水産品、野菜などの食材の一次・二次加工が可能な設備を有しており、卸売から食材加工までをワンストップサービスとして短納期で提供できる強みをもっているという。

双日はベトナム子会社の大手食品卸フン・トゥイ・マニュファクチャー・サービス・トレーディングでASEANにおける食品卸事業の運営経験を蓄積してきた。一方で「タイの外食市場はASEANの中でも堅調な経済成長を背景に今後も拡大が見込まれ、急拡大するチェーンレストランの需要に対応出来る、業務用食品卸ニーズが高まってきている」として、タイでの業務用卸事業への参入を決めた。

FBFのセントラルキッチン事業では双日グループとして、双日食料のノウハウを活用した食材調達の多様化や、ベトナムで日配惣菜製造と畜肉加工を双日グループと共同で展開している日東ベストからの技術支援により高度な食品加工機能を備えることで、食材の一次・二次加工事業を強化、拡大していく。

FBFの出資比率はPCC51%、双日43%、タイの総合金融グループ、フィナンサの資産運用会社フィナンサ・キャピタルが6%。

双日は業務用食品卸と食品加工の知見を更に蓄積しつつ、ASEAN域内の他国にでも同様の事業を展開していくとしている。