日本製粉、17年秋冬家庭用冷食の新商品17品、リニューアル品6品発売

日本製粉は、17年秋冬家庭用冷凍食品として新商品17品、リニューアル品6品、計23品を全国で発売、8月21日より、出荷開始を予定する。23品の初年度販売目標は23億円。3日、東京・麹町の同社本社で新商品発表会が開催された。

藤井勝彦執行役員食品営業部門部門長は、(グロサリーも含めた)開発コンセプトとして「17年秋季新商品は▽健康▽簡単・便利▽多様化する食の楽しみ方–という“お客様ニーズへの対応”を基本テーマとして開発した。機能性素材の採用、新たなメニュー提案での上質化対応を、既存カテゴリー、新ジャンル双方で意識し、商品作りをした」「冷凍食品においては冷凍パスタブランドNo.1の『オーマイプレミアム』の商品強化、市場構成比の高い中価格帯へ新ブランドを投入、また、流行のメニューをおうちでのコンセプトで発売している『いまどきごはん』シリーズ、主食とおかずがセットで楽しめる『よくばりプレート』シリーズと、パスタ以外の商品も拡充する」「また、“いつものおいしいオーマイ”をご愛顧いただけるよう、さまざまな販促策、キャンペーンの展開も予定している」など述べた。

中価格帯パスタの新ブランド「オーマイ パスタ!パスタ!」は、乾麺ならではのおいしさを追求したぷりぷり食感の麺と、「トレー入り」なのが特長。パスタの王道であることを訴求する名称と、売場で目立つパッケージデザインを採用した。今回は牛挽肉ミートソース、ジューシーナポリタン、クリーミーカルボナーラ、ゆず香る和風醤油、ペペロンチーノの5フレーバーを発売する(内容量はすべて260g)

同社の消費者調査で、冷凍パスタを選ぶときに重視している点は「麺のおいしさ」と「価格の安さ」が多く、また食シーンは「1人のとき」「時間手間を省きたいとき」が多いことから、中価格帯でありながら麺にこだわり、トレー入りの利便性を兼ね備えた商品とした。

発表会の冒頭、あいさつした藤井部門長は、要旨次のように述べた

藤井部門長=消費拡大が進まない中、小売業は低価格での販売を継続し、なんとか現状からの脱却を図ろうとしているが、消費者の買い控え志向により消費が拡大せず、販売価格への対応が食品業界の大きな課題となっている。

当社にとっても価格競争力の強化はもちろんだが、新しい商品価値を作り出しお客様に訴求することがさらに重要な課題として、日夜取り組んでいる。当社ではお客様の心に響く商品価値として、最近のトレンドである▽健康▽王道▽新しい楽しみ方–という3つのキーワードに着目した。

「健康」については、減塩、低糖質といった「引き算の健康」と、乳酸菌や健康オイルを加える「足し算の健康」の2つが並行してトレンドとなっていることに注目している。健康への価値観が拡がっていることを象徴しており、お客様の健康マインドをより深く掘り下げ、多様化している健康需要に対応していきたい。

「王道」については、ここ数年即席麺、冷凍炒飯など昔からある王道商品が本来の価値を再訴求し、ヒットするケースが増えている。この半年では、ポテトチップス、チョコレートと菓子の分野でも同様のヒットが生まれている。当社が持つ商品群でも、それ本来のおいしさ、王道のおいしさの訴求がより大事になってくるだろう。

そして「新しい楽しみ方」について、食事を作る、食べる楽しみ以外に、最近は「見せる」という価値が生まれている。多くの人に見せて楽しむためにSNSに投稿するなど、お客様の食の楽しみ方が多様化している。そうした新しいニーズを見逃さず、価値を付与していくことも今後重要と考える。

これら以外にも食のトレンドを常に捉え、話題の発信、健康ニーズへの対応を強く意識し、変化し続けるお客様ニーズに対応できる商品開発に引き続き努めたい。

また、少子高齢化、女性の社会進出など社会構造の変化も新市場の拡大に繋がる。その新市場では▽簡便▽時短▽健康▽機能性▽小容量化–などが求められるようになっている。これらのキーワードに沿った商品開発も継続的テーマだ。