ファミリーマート 、惣菜・冷食ブランド「お母さん食堂」を拡大 1周年記念セールも

ファミリーマート「お母さん食堂」1周年記念セール イメージ
〈共働き世帯増加で家族全員の買い物をする「女性の消費」に注目〉
ファミリーマートは18年度下期、「女性の消費」に注目し、CVS(コンビニエンスストア)惣菜需要の高まりを受けて17年9月から展開する「お母さん食堂」ブランドの惣菜・冷食を充実させる。11日、横浜市のパシフィコ横浜で「2018年度下期商品政策説明会」を開催し、商品施策について、佐藤英成商品・物流・品質管理本部長が説明した。

上期からの18年度取組テーマは52週計画の精度向上と、売場提案力・生産性向上を基本とした「商品の基本価値向上」と「環境の変化への対応」とする。

現在の市場環境は、外食・中食・内食合計で73兆円と言われる食市場を、競合CVSはもちろん、食品スーパー・総合スーパー・百貨店といった同業他社に加え、DgS(ドラッグストア)、EC(電子商取引)、そしてメーカーも含めた異業種がさまざまな形で奪いに来ている状況にある。その中でCVSの強みである中食マーケットをしっかりと守りつつ、それ以外の市場も取っていくことが大事だという。

そうした市場環境を背景に、下期は「女性の消費」に注目。佐藤本部長によれば、女性客の構成比は年々、徐々にではあるが増加傾向にあり、13年の40.8%から17年は42.7%へと上昇しているという。また、共働き世帯の増加で、CVSにおける買い物も、従来の「自分用」から、「家族全員分」といった2人分以上の家族のための買い物が増加し、CVSの役割が変化しているという。

それを捉えた例として、同社が17年9月から展開し、1周年を迎えたオリジナル惣菜・冷凍食品ブランド「お母さん食堂」の動きがある。同社の分析では、全体の平均客単価が573円であるのに対し、「お母さん食堂」購買者の客単価は、買上げ点数が増えることなどから1,349円と2倍以上にのぼり、SMの推計平均客単価1,902円に迫るという。佐藤本部長は「客単価上昇のためには惣菜と冷食の強化がカギになる」とした。

そのことから今秋以降「お母さん食堂」で、
▽幅広い年代層に馴染みのあるメニューの品揃え拡大
▽惣菜がいつでもあるお店を確立
▽個から家族にも対応した商品提案
――を実施。

より具体的には、
〈1〉食卓出現頻度の高い焼魚系惣菜のラインアップ拡充
〈2〉ワンランク上の品質を追求したパウチ惣菜の発売
〈3〉定番商品の美味しさ向上、だしの取り方にこだわったトップシール商品の刷新
〈4〉人気の高い商品の大容量タイプ発売
――を行う。

〈1〉焼魚系惣菜のラインアップ拡充では、「さばの塩焼き」(278円 ※税込、以下同)「銀鮭の塩焼き」(298円)「ほっけの塩焼き」(306円)を投入。一晩寝かせる熟成工程を追加するなど旨味をアップさせ、さば、銀鮭では骨を抜くなど食べやすく仕上げた。

〈2〉ワンランク上のパウチ惣菜では、家庭では作りづらい、じっくり煮込んだカレーやハンバーグ、煮込み系メニューをチルドのパウチ惣菜(袋物惣菜)として発売。チルド惣菜なので、レトルトと比較して食感等が優れているのも特長。今回は「チーズインハンバーグ」(135円)、「具だくさんビーフカレー」(398円)、「3日間仕込みのビーフストロガノフ」(398円)といったメニューを投入する。

〈3〉トップシール商品の刷新では、ひじき煮や切干大根煮等の和惣菜のおいしさ向上のため、使用している「八方だし」のだしの取り方を変更。北海道産真昆布を一晩水で寝かせて抽出した昆布だしに、3種の国産かつお節を重ねて取った鰹だしを合わせ、穏やかな香りの醤油「本膳」を加えて作った「八方だし」を使用する。

〈4〉大容量タイプの発売では、夕食の一品やおつまみとして支持を集めている「タルタルチキン南蛮」の大容量タイプ「大盛りタルタルチキン南蛮」(498円)を期間限定発売。家族で食べるニーズにも応える。

〈「お母さん食堂1周年記念セール」も〉
また、ファミリーマートでは9月18日から10月1日まで、「お母さん食堂1周年記念セール」を実施する。対象は「お母さん食堂」の惣菜全品。各20円を割引き(ファミマTカード会員は30円割引き)する。

〈冷食日報 2018年9月13日付より〉