三菱食品、品種別・業態別全カテゴリーで増収達成/19年3月期第2四半期決算
品種別売上高、業態別売上高ともに、全カテゴリーで増収を達成。
品種別で、冷凍食品類は時短・簡便ニーズの高まりで市販用・業務用ともに伸長。生鮮野菜の高騰から、冷凍野菜も好調で、前年比7.6%増2,770億円と伸長した。
森山社長は、質疑応答の中で上期におけるカテゴリー別ケース単価を披露。加工食品が1.55%減2,159円、低温食品が0.29%増3,882円、酒類が0.98%減3,425円、菓子が0.82%減2,188円で、「このところケース単価の上昇傾向があったが、低温以外は下落した。ただ、加工食品は夏が暑いと単価の安い“水系”が増え、ケース単価が下がる傾向がある。全体としては、引き続き二極化が着実に進んでいると実感している」とした。
また、上期は好業績だったが、通期業績予想は売上高1.5%増2兆5,500億円、経常利益2.7%増185億円の当初予想を据え置いた。森山社長は「SM、DgS、CVS とも、全体的に業界環境は悪くないと感じている。上期の予算は公表していないが、予算に対する進捗も良く、売上は良い線だと思う。ただ、我々は物流支出がネットで1,700億円あり(※受け取りを除く支払い分のみ)、1%違うだけで17億円にもなるため何が起きるか分からない。我々の業界でもっとも大事な12月を控え、まだ上方修正する場面ではない」など説明した。
〈5つの施策上期は順調、下期も成果獲得を追求〉
森山社長は2020年度を最終年度とする4カ年の「経営方針2020」の実行状況について説明した。
今期は「成果獲得の追求」を掲げ、▽「挑戦」を支える体制づくり――として〈1〉卸事業における営業体制の一本化〈2〉商品開発・トレーディング事業の強化〈3〉機能に特化した子会社戦略――を▽「前進」を支える環境づくり――として〈4〉物流コスト増加への打ち手〈5〉AI・IoT による生産性改革――の計5つの取組方針を掲げており、上期の進捗および下期の施策について、要旨次のように説明した。
【〈1〉卸事業における営業体制の一本化】
今年4月、二次卸機能を有する100%子会社6社(MS 北海道、MS 福島、MS 新潟、MS 関東、MS北陸、MS 四国)を統合。営業体制を一本化した。「度重なる災害にも、全社一体で対応できた。ワンストップ営業体制で、地域に根ざした真のフルライン体制ができた。
【〈2〉商品開発・トレーディング事業の強化】
今年4月、ブランド戦略本部・トレーディング本部を新設。より川上に近い領域でビジネス拡大・確立を目指す。ブランド戦略本部はハリボー、バリラなど総販売代理権を持つブランド、商品の強みを活かした販促を強化。また、オリジナル商品開発では、10月にチルドデザートの「&“me time”」、12月にデリカ・冷食両売場に対応する「FROZEN DINING」と新ブランド商品を投入。健康ブランド「からだシフト」は、消費者向けキャンペーンやSNS の情報発信に加え、9月に第3弾新商品、3月に新シリーズ「たんぱく質プラス」を投入し、さらなる拡大を図る。
【〈3〉機能に特化した子会社戦略】
昨年10月に子会社化したエム・シー・フーズは、グローバル調達機能を活かし、果汁・茶類等に加え、酪農製品の取扱を拡大し、原料取引を強化。スペシャリストを活かした商品開発力で、小売向けPB 開発等も強化している。
今年4月には、成長余地のある業務用卸事業をさらに強化するため、中小料飲店向けの卸売事業、リクエ事業を100%子会社である都貿易に移管・統合し、「クロコ」に社名変更。今年9月には千葉・舞浜に第2物流センターを新設稼働し、キャパの逼迫を解消、さらなる拡大を目指す。
【〈4〉物流コスト増加への打ち手】
食品流通全体の物流費圧縮に向け、製配販パートナーとの協業を推進。サプライチェーン全体の効率化を図るとともに、単独でも改善を進める。
【〈5〉AI・IoT 活用による生産性改革】
昨年度から生産性向上が期待できるRPA(RoboticProcess Automation)の導入を開始、単純業務の自動化を進めている。全国へ順次導入を進め、今期中に年間2万時間の生産性改善を見込む。
〈冷食日報 2018年11月6日付より〉