日東ベスト、冷食は袋入り畜肉調理品が貢献し1.4%増 介護や外食分野開拓/19年3月期第2四半期
日東ベスト(大沼一彦社長)は12月7日、2019年3月期第2四半期業績と通期、来期見通しについて社長記者会見を船橋市の営業本部で開催した。大沼社長の説明は概要次の通り。
連結業績の売上高は前期比1.7%減の255億9,600万円、営業利益は69.8%減1億8,000万円、経常利益は62.1%減2億4,700万円、当期純利益は62.3%減1億8,200万円と、減収減益となった。消費者の安全安心への意識の高まりや低価格志向継続による競争激化や人手不足の中、販売力の強化、お客様ニーズを捉えた商品開発や迅速対応に努めたが、日配食品部門の大幅減により売上高は減収し、また利益面では原材料価格や燃料費・物流費の上昇により減益となった。
分類別では、冷凍食品が1.4%増の209億3,000万円、日配食品は20.6%減の32億900万円、缶詰部門は7.4%増の14億5,600となった。また冷食のカテゴリー別状況の内訳は、対前年比でハンバーグなどひき肉加工品1%減、畜肉フライ品4%減、袋入り畜肉品9%増、農水産調理品6%増、冷凍デザート4%増となり、袋入り畜肉調理品や冷凍デザートが増加した結果、増収となった。
冷凍食品の販売分野別では3分野がそれぞれ売上構成比で約30%程度に分かれており、「給食分野」では学校給食は前年並みも、病院・介護施設分野が伸長して(給食分野の売上構成比の約35%)前期比1%増と前年をやや上回った。
「惣菜分野」では全般に商品導入が図られて2%増と前年を上回った。また「外食分野」では新規開拓がチェーン店主体に伸長するなど奏功し2%増と前年を上回った。
下期も原材料価格の高騰や競争激化による厳しい環境は続くが、顧客に合った製品の投入や販促活動強化で売上を確保し、生産体制の見直しや生産効率の改善、原材料の見直しによるコスト削減を進め、利益確保を見込む。更に開発、生産効率の向上を進める中、通期業績予想は売上高3.3%増540億円、営業利益は9.4%増15億円、経常利益は0.1%増15億円、当期純利益は0.4%減の10億円を見込む。日配食品部門の上期の落込みは大きいが、9月・10月・11月と売上は回復し利益的にも黒字になっている。冷凍食品部門が厳しくなっている側面はあるが下期は目標を修正せずに進んでいく。
〈値上げ包括的に必要、時期は未定〉
値上げに関しては、十分に検討している。製造経費もかなり圧迫している中、多岐にわたり一律ではなく包括的な値上げをせざるを得ない。今期にも魚や野菜、肉の一部など単品では実施しており、時期的には決定していないが来年の早い時期に実施していく予定。山形工場に14億円を投資し、2階スペースの半分に天童工場から移転した焼菓子ラインを増設し、ケーキ・タルトを生産稼働した。神町工場では10億円を投資し、現工場では手狭になったことから倉庫を工場に新築して拡張し11月からフレンズシリーズを生産している。東根工場には1億円を投資し、焼肉のラインを増設した。
労務費の高騰が目立ち、その対策として工場の機械化を進めている。特に夜間、働いてくれる方が不足して割高になっているため、平日に行える体制を確立したい。ベトナムの研修生25人が10月より働いており、山形本体では初の導入となった。
3工場で25億円の投資の他、既存の設備にも12億円を投入、トータルで37億円は大きい。しかし第1ステップの段階と考えており、今後第2弾も検討していく。やはり、経済は変動し、競争が激化する中、少し堅実なやり方をしていかなくては更に厳しくなっていくとの考えで進めている。全8工場を老朽化によりいっぺんに進めたいところだがリスクが高いのでできない。来期以降に機を見ながら進めていくしかない。
来年は創立70周年として、利益を出し、株配当を行い、社員への貢献もしていかねばならない。そのためにも原価の値上がりもあり、値上げの実施を成功させながら計画通り推し進めていきたい。
〈冷食日報 2018年12月10日付より〉