ヤヨイサンフーズ19年春の新商品、重点施策は消費者への価値提案・簡便性配慮・基幹カテゴリーの技術開発
ヤヨイサンフーズは、業務用冷凍食品における19年春の新商品28品、リニューアル品6品、計34品を1月1日から(期間限定品など一部異なる)発売した。今回は〈1〉消費者への価値提案〈2〉人手不足対策、簡便性に配慮した商品の開発〈3〉自社基幹カテゴリーにおける技術開発――の3つを重点施策として商品開発を実施した。11日、東京・芝大門の本社で、黒本聡社長らが出席し、新商品発表会が開催された。
黒本社長によれば、従来から引き続き▽価値の創造▽感動と信頼の創出――の2点を新商品開発コンセプトとして取組み、今回は前述の3つの重点施策のもと、商品開発を実施したとし、それぞれ要旨次のように説明した。
ヤヨイサンフーズ 黒本聡社長
〈中食市場で健康価値訴求するしんじょ・チョップドバーグ〉
【〈1〉消費者への価値提案】
収入の伸び悩み、ニーズの多様化、商品・サービスへの飽きといった消費が進みづらい状況を背景に、商品を通じて購入のきっかけとなる価値を提案するため、健康への配慮、産地訴求など原料に付加価値のある商品の開発を実施。健康に配慮した商品としては、中食市場でシニア層・30~40代女性という2つの購買層に着目し、前者に向けて「まごわやさしい11品目のしんじょ」、後者に向けて「鶏むね肉と4種野菜のチョップドバーグ40」と、それぞれ健康コンセプト商品を投入。健康に求める内容は十人十色と思われるが、対象者を年代で絞り込むことでよりニーズに沿った商品になると考えているまた、原料へのこだわりは消費者にとっても最も分かりやすく伝わる価値だと考える。19年春は中食・給食・外食各市場に向けて新商品を発売する。
【〈2〉人手不足対策・簡便性に配慮した商品の開発】
慢性的な人手不足の中、ここ数年、より一層簡便調理商品へのニーズが高まっている。当社では18年秋に調理時間が短いおつまみ向け商品、自然解凍で使えるスライス済みハム・ソーセージ等を発売した。
今回は引き続き調理に手間がかからない商品開発に取組み、電子レンジ調理が可能な焼き目付きの餃子「レンジで簡単焼き餃子(三元豚使用)17」、「Oliveto」ブランドのソースインの生パスタ、自然解凍で使える鶏肉加工品、ウインナーなどを発売する。また、中食向け新商品として、フローズンチルドのドリアを始めとした米飯商品4アイテムを発売。解凍して売場に並べるだけなので、人手不足の調理現場で活用いただける。当社グラタンカテゴリーの主力商品である「デリグランデ」シリーズとは別の新規投入で、先行してご案内しているユーザー様からは新規性に評価をいただき、すでに幾つか採用も決まっている。当社では、昨年度新たにドリアラインを立ち上げており、その設備を活用しながら、今後もドリアを中心とした商品開発を進める。
〈基幹カテゴリーではハムカツ、餃子で技術開発〉
【〈3〉自社基幹カテゴリーにおける技術開発】
商品開発部を中心に技術開発プロジェクトを立ち上げ、中長期的に技術開発を実施。引き続き基幹カテゴリーのブラッシュアップを続ける。昨秋は中食市場向けのメンチカツ・ハンバーグを開発したが、今回はハムカツ、餃子で新規技術を盛り込んだ新商品を発売する。ハムカツは主力商品「ガブうまハムカツ」の品質向上リニューアルに加え、新たに2つの商品を開発。いずれもハム原木や衣で新規技術を活用した。餃子では、前述の「レンジで簡単焼き餃子(三元豚使用)17」で、レンジ調理でもおいしく食べられる皮の配合、シズル感のある焼き目に仕上げるための技術をとり入れた。
この技術開発プロジェクトによる新商品開発は当社の中でも特に重要な取組みと位置づけている。既存商品の品質に満足することなく、市場のニーズをとり入れながら継続的に技術革新に取組むことで、お客様・消費者の皆様に確かな品質をお届けするメーカーとして認めていただけるよう、今後も努力したい。
〈冷食日報 2019年1月17日付より〉