明治、夏向けに「完熟トマトとチーズのペンネ」と「男の極旨 黒カレー飯」/2019年春夏・家庭用冷食新商品
明治は12日、2019年春夏の家庭用冷凍食品新商品を発表した。夏向けにトマト丸ごと1個分使用したショートパスタ商品を2個入規格で新提案する。冷凍米飯には同社の人気レトルトカレー「男の極旨 黒カレー」をカレーピラフに仕立てた新メニューを300gの個食規格で発売する。売り場定着に取り組むリゾットはチーズをキーワードに品ぞろえを再構築する。
当季新商品は5品そろえ、いずれも2月下旬に全国発売する。「まるごと1個分完熟トマトとチーズのペンネ2個入」(2個入370g)はタマネギ、にんにく、油で香りを出した炒めトマト、甘みを出した煮こみトマトをブレンドした特製トマトソースを使用し、2種チーズ(モッツァレラ、ゴーダ)のうまみと4種の ハーブ(バジル、オレガノ、パセリ、ローリエ)の爽やかな香り立ちを 楽しめる、ペンネメニュー。1食に完熟トマト1個分(トマト1個を100gとして、濃縮トマト原料を使用)を使った。グラタン・ドリアなど秋冬向け商品の比重が高い、同社の商品構成に対して、夏向けメニューを強化する狙いだ。トマト市場は健康機能が注目されて拡大している。特に50代、60代の女性が積極的に摂取しているとして、その層を主要ターゲットに据える。
ショートパスタメニューだが、2個入り規格のためパスタ類とグラタン・ドリアなどスナック類との中間的な位置づけとなりそうだ。1食分の内容量は他のパスタ商品に比べて少ないが、パンなどと一緒の食事を提案する。
冷凍米飯「男の極旨 黒カレー飯」(300g)は同社レトルト「男の極旨 黒カレー」をベースに開発した商品。南米の活力素材である「マカ」を使用しているのが特徴。ニンニクもおろし、フライド、ロースト――の3種類をブレンドして癖になる旨さに仕上げた。黒さは焦がしニンニク油と黒ゴマペーストで色付けしている。冷食の消費が増えている単身男性を主要ターゲットに据えた。内容量を300gにして満足感のある使い切り利用を想定する。
「男の極旨 黒カレー飯」
リゾットは「4種チーズの濃厚リゾット」に括り直す。現行品は20代の利用者をグラタン・ドリア類よりも獲得しているものの、ヘビーユーザーは40~60代の比重が高い状況だという。現状、リゾットの売上げの半分がチーズリゾットであることから、チーズを軸にしたメニュー展開に切り替える。チーズ料理であることを強く伝えることで、購買者の拡大を図る。
「4種チーズの濃厚リゾット ブラックペッパー香る贅沢チーズ」(180g)は現行品から中身は変えずに新発売する。「同 えびの旨み広がるトマトクリーム」(180g)はトマトクリームのコクと魚介のうまみをしっかりと感じられる濃厚ソース。仕上げでかき混ぜた時のオマールエビの香り立ちが特徴。「同 香るトリュフと3種のきのこ」(190g)はクリームのコクとキノコのうまみがしっかり感じられる濃厚ソース。かき混ぜた時のトリュフの香り立ちが特徴。シリーズ共通で4種の十勝産チーズ(ゴーダ、チェダー、パルメザン、モッツァレラ)を使用。中身を変えた2品はチーズをベースに、生クリームを使用した濃厚な味わいにしたことから、現行品から量目を調整した。
河原恒調理食品営業部長は当季新商品について「当社は夏場に弱い品ぞろえなので、非常に暑い日本の夏の中でも手を伸ばしてもらえるイメージの商品を2品(トマトペンネと黒カレー飯)発売する。これが当季の力点だ」と話した。グラタン・ドリアは主力の3個入がここ3~4年成長を続けているが、夏場には需要が落ちる傾向にある。工場の稼働にも余裕ができることから、夏場の商品で工場の稼働のバランスをとる。「四季がなくなってきているので、必然的に季節の売り方を変えていかなければならない。当社はスナックの分野がけん引してきたが、食機会を違ったところにも広げていく必要がある。ただピラフでも平凡なメニューで競争に入らず、尖った商品で勝負していく」。同社の茨城工場(茨城県小美玉市)が整備される今秋には、これまでとは違った新商品を準備している。
河原恒調理食品営業部長
〈冷食日報 2019年2月14日付〉