昭和冷凍食品、老健施設入居者に「パンの香りに包まれてほしい」、冷凍パン生地を提案

昭和冷凍食品「カレーパン揚げちゃいました」
昭和冷凍食品は19年の営業施策として〈1〉OnlyOne&すきま戦略〈2〉時短・省力化でも満足感Up〈3〉新たな食シーンの創出〈4〉昭和産業グループの海外戦略――の4点を掲げる。

同社独自の強みが発揮できる分野として、大手冷食メーカーが主力にしていないカテゴリー、すなわち揚げワンタン・ラビオリの一口スナック、プチケーキなど粉ものスイーツ、そしてベーカリーを挙げる。「狭小マーケットのウォンツを迅速・的確にとらえ、それに対応するため、限られたインフラをフル活用し、加工技術の深耕を図る」(荒井孝始常務、以下同様)。

「ともすれば、がっかりメニューになりがち」として時短・省力化メニューで満足感を高める取り組みを進める。プチケーキに自分でチョコやナッツをトッピングして楽しむ提案など「季節感やタイミングの良い提案で記憶に残る、満足感の高いものにできる」と話した。

新たな食シーンの創出として、今春の新商品「カレーパン揚げちゃいました」と発酵不要の冷凍パン生地について取り上げた。

「カレーパン揚げちゃいました」は自然解凍でも利用できるが、吸油を抑えた生地配合が特徴でもあり、軽く再フライするだけで揚げたての美味しさを提供できる価値を訴求したい考え。市場に油ちょう済みのカレーパンは少ない。惣菜店やゴルフ場、カレー専門店などに提案する。

パン生地発酵設備がない業態にも幅広く提案できる、発酵不要の冷凍パン生地は特に老健施設への提案を進めたい考え。「香りは人間の思い出を呼び覚ます力があるという。老健施設でパンを焼く香りに包まれて起きてほしい」と力を込める。屋外イベント会場や、幼稚園・保育園、離島などの移動販売車もターゲットだ。

海外戦略は昭和産業グループ一体で進める。

ベトナム提携企業インターミックス社と昭和産業ベトナムとともに生産を行い、ショウレイ(千葉)の保税倉庫のノウハウも活用する。

〈冷食日報 2019年3月15日付〉