イートアンドが「こだわりの野菜餃子」など業務用冷食を拡充 軽減税率で競争激化、新たなチャレンジのチャンスに
現在、外食・デリカの調理現場では人手不足、作業が複雑、他社との差別化、美味しいものが必要といった課題があり、藤田マネジャーは「外食部門を持つ当社は日常的に肌で厳しさを感じているからこそ、忙しい現場のため▽時短▽使いやすい・手間抜き▽本格感――にこだわった商品を提案する」という。 また、今年10月に予定される消費税増税においては、外食が通常税率、中食惣菜が軽減税率と適用税率が異なるため、外食のテイクアウト増加、宅配業態の多様化など競争の激化が予想される。「注目度がアップすると見られ、新たなチャレンジのチャンスと捉え、業務用商品を強化する」という。
今回の新商品「こだわりの野菜餃子」は、野菜の甘みと肉のジューシーさのバランスを追求した“野菜餃子”。野菜餃子=味気ないと思わせない、満足感ある餃子に仕上げた。「量販店の惣菜で肉餃子は必ずトップクラスの商品としてあり、もう1品置いてもらう需要を意識して開発した」という。また、日本惣菜協会の調査などでも野菜を使った惣菜を求める声が多く、野菜を手軽に採れ、美味しさを追求した餃子の購入機会が増えると予想。「惣菜を購入して済ませることへの“罪悪感”が、野菜メニューで軽減できる」と見る。
使用する野菜は、旨味と彩りを考慮し、キャベツ、にんじん、シイタケの3種を配合。シイタケのだしも入れることで、味にコクと深みを出した。あんは鶏肉を使用して野菜の旨みを活かしつつ、豚脂でジューシー感を演出する。
「業務用小籠包」は、家庭でなかなか作れない一方、女性に人気がある小籠包を業務用商品化することで、普段の食事にはない本格感・ワクワク感を演出し、メニューへのこだわりを感じてもらうことを狙ったもの。
「好きな中華料理」を複数回答可で尋ねたある調査では、メジャーなメニューに並び小籠包がランクインし、特に女性のスコアは餃子、炒飯に次ぐ3位になっているという。
商品特徴は、オイスターソースや紹興酒で味付けした具材を、薄皮で包んで本格的な味に仕上げた。ジューシーなスープたっぷりで、生姜を効かせることでたくさん食べられる。調理方法は、蒸し調理のほか、餃子と同じ調理方法で「焼き小龍包」にすることもできる。
「業務用小籠包」
「もちもち水餃子」は、日本でも年々認知度が高まっている水餃子を業務用向けに提案する商品。冷凍水餃子市場が6年間で2倍にも拡大している中、水餃子を“料理”としてよりも、サラダへのトッピング、スープ・鍋の具材などさまざまなメニューの“食材”として提案する。
商品特徴は、独特のもちもち食感の皮で、ニンニク不使用の具材を包んだ水餃子。家庭用冷食の「ぷるもち水餃子」と異なる点は、皮の配合を変え、解凍しても皮がくっつかないようにした点で、事前に解凍しておいて注文が来てから調理することで、調理時間の短縮に繋げることができる。また、冷蔵状態でももちもち感をキープでき、サラダのトッピングなどを事前に仕込んでおくことも可能とした。
「もちもち水餃子」
〈冷食日報 2019年8月8日付〉