マルハニチロ「手作りサクサク 野菜かき揚げ80」など7品発売、2020年秋季業務用冷食新商品
現在、惣菜の調理現場では、年末などの繁忙期を除き現在も手揚げが主流だ。しかし、人手不足から手揚げの品質保持は難しく、不慣れな作業者の増加で調理不良の問題も出ている。また、売場では時間が経つと潰れてボリューム感がなくなってしまう点など課題になっている。
それらの課題を解決するため、プリフライで凍ったまま揚げるだけで調理の手間を削減できるほか、経時耐性を強化し、見栄えにも注力した商品を提案する。生産性の向上を軸に、店内手揚げからプリフライへの移行を提案し、時間を気にせず・簡単に・安定的な商品の提供をできるようにする。
調理方法は油ちょう、生産工場は永進冷凍食品(中国)。
その他、新商品として次の商品も発売する▽揚げなすの甘辛煮;食感と見栄えにこだわり、大きめにカットしたナスを揚げてからかつおだしの効いたタレにあわせた。調理方法=スチコン、生産工場=海外協力工場▽オクラといかの甘辛和えキット:オクラとイカを揚げて、別添のタレと和えるだけの簡便調理キット品。調理方法=揚げ+ボイル、生産工場=浙江興業集団(中国)▽点心厨房 ふっくらミニ肉まん23▽同 スープがあふれる小籠包25▽同 プリッ旨えび蒸し餃子20、以上3点調理方法=スチコン、生産工場=N&Nフーズ(タイ)▽食感が極め手!たけのこ中華春巻、調理方法=油ちょう、生産工場=マルハニチロ九州。
〈コロナ後の変化見据え20年春季新商品を再提案〉
また、業務用冷凍食品においては、コロナ禍で商談がなかなかできなかった2020年春季新商品の提案も再強化する。
同社によれば、2月までに商談が実施できたユーザーには高い評価を受けており、コロナ後の在宅勤務やオンライン飲み会といったライフスタイル変化も踏まえた提案を実施する。
今春新商品である日本唐揚協会監修「海から揚」シリーズは、糖質ゼロビールやノンアルコール飲料とあわせた健康的な家飲みスタイルや、「ガツンと旨い!Wソース焼そば」とあわせて、ZOOMのバーチャル風景を用いたリゾート気分の家飲みスタイルなどを提案する。
〈3~5月は家庭用大幅増も弁当品苦戦、業務用は商談止まり厳しい状況〉
新商品発表会の質疑応答で、半澤貞彦取締役専務執行役員らが直近の状況を答えた。
3~5月の家庭用冷凍食品は、特に米飯や麺、惣菜で生産能力以上の発注があり、フル稼働で対応。主力品に集中する休売商品も出た。市場売上高は、前年比で3月は121%、4月は128%で推移したという。一方、弁当品は需要が減少し、生産量を80%台に調整した。6月は105%ほどに落ち着き、同社の生産も通常の対応になった。
弁当品は「いか天ぷら」などカテゴリーによっては好調で、巣ごもりの中弁当以外の内食でも使われていたと考えられる。今後も弁当品でも商品レベル・構成を検証する。また、6月末には学校が完全に再開しておらず、昼食をとらないケースが多い中でも前年同期比99%にまで回復しており「勇気づけられている」(半澤専務)という。
家庭用は他のカテゴリーも、ハムソーセージは時期により120~150%で推移した。缶詰は18~19年に青物缶詰市場が拡大したにもかかわらず150%でフル稼働となったという。
一方、業務用は直接商談ができず、リモートで実施した。「得意先の考えにもよる対応で、できなかったところでは2~3割、業態によっては7~8割は商談ができた」(半澤専務)。6月中旬から商談を再開しているが、年末の季節商材でも現場でバイヤーと作り上げるような商品では現実的に間に合わないものもあり、思うように進まない状況にある。
〈冷食日報2020年7月8日付〉