SLC 外販向け4ブランド立ち上げ スーパー向け冷食開発、質とサービスで日本一の食品会社に/佐藤社長
佐藤健社長は基本方針説明のなかで、外販向けの4ブランドを展開すると発表した。スーパー向けには外販専用の冷凍食品を開発する。
佐藤社長は「コロナ禍が契機となり、すべての業界で古い仕組みや考え方が見直され、新しい価値観、サービスが生まれている。世の中の変化を傍観することなく追い風として様々な準備をしてきた。いよいよ今年、そうしたものを実行に移したい。売上や規模ではなく、質とサービスにおいて日本一の食品会社にするための1年として皆様にご協力をお願いする」と訴えた。
〈佐藤社長の話〉
コロナ禍で昨年1年間も丸々振り回され、本来の販促はできなかったが、今年は当社グループを取り巻く環境はピンチとチャンスといえる。既存組織はパーティなど様々行ったが新規客は広がらず、MG(マネージャー)やSL(シュガーレディ)の高齢化による離職などで減っているのがピンチ。一方、グループのオンライン化やキャッシュレス化等が進み、また冷凍食品の社会的地位も当社の「Z’s MENU」も寄与し格段に高くなった。これは高級冷食の先駆けであり、近鉄百貨店でも7店舗で扱うなど高級品の扱いが高まっている。まさにピンチとチャンスが両立する年であり、進み方を間違えなければ大きく飛躍できる1年だ。
大きな目標は2つ。「様々な世代において新しいSLCファンをつくる新規客の獲得」と「顧客消失の食い止め」。新規客獲得では、今までのリアルパーティに加え新しい販促の試みに挑戦していただく。オーダーサイトやWeb チラシに加え、有料パーティの体験キットなどを作るので活用いただきたい。リアルパーティは続けるが、専業主婦の多かった時代と異なり、働いてお金はあるが時間のない方々に家に集まって食事し新規客を増やしていくやり方には無理がある。そして健康志向と高級冷食志向が高まる中、主に外販向けとなる4つのブランドを開発し今春から販売スタートする。
〈1〉賢いおやつシリーズ「ANY O’clock(エニーオークロック)」。いつでもどんな時でも子供も大人も口にできる健康で美味しい新アイディア満載のシリーズを4月に発売、3月開催のFOODEX展にも出展する。
〈2〉糖質制限した「糖質コントロールシリーズ」を開発。全国の糖尿病予備軍約2,000万人の他、ダイエットしている方、軽めの食事にしたい人に向けに、拙い食品ではなく無添加でどこよりもおいしい低糖質商品として4月から10品程度を順次販売する。
〈3〉ペットサプリの販売。ローヤルゼリーとコリンを使った犬・猫用のサプリ。岐阜大学で2年間の生体実験を行った上で4月に販売する。
〈4〉「Y’s MENU(ワイズメニュー)」(仮称)の販売。「Z’s MENU」の取扱店舗が増える中、スーパーマーケットからの声も多いが、ブランドを守るために断ることが多い。百貨店からも花形の「Z’s MENU」だけではなく、安全でおいしい通常メニューとしてSLスタンダード商品への販売依頼も多くなった。コロナで冷食の地位が上がった状況もあり、スーパーでは高級冷食が売れると踏んで拡張傾向にある。
当社内でも新規客はパーティだけでは増やせないとの賛成意見がある一方、会社と販売員の信頼問題と反対する声もある。スーパーで取り扱えば売れ残りの安売りという現象も起こりかねない。従来なら新商品のスペース獲得に躍起となるのが当たり前だったが、冷食スペースが拡張傾向にある中、大きなチャンスと考えた。そこで、一般のスーパーではSL商品は売らない代わりに、外販専用の新商品「Y’s MENU」として約20品開発、パッケージも外販用にする。同商品の役目は、多くの方にSLCの商品を知ってもらい、通常商品の販売につなげること。商品の裏面には「1,000品目ある」や「QRコード」を付けてHPにつなげる等で、宣伝塔として日本全国どこでも販売していく。いま年内中の販売を目指し開発に着手している。
以上、4ブランドのうちペットサプリを除きスマイルサークル岩城紀子社長との共同開発だ。3年前にスタートした簡易社員食堂「OFFICE PREMIUM FROZEN(オフィスプレミアムフローズン)」事業はグループの新規客づくり、売上収入アップに貢献し、取引先は現在370社となり、今春には黒字化し利益となる見込み。
大きな目標の2つ目「顧客消失の食い止め」については、MG・SLの高齢化に伴う離職や仕事量減による引継ぎ問題で売上が大幅減となっている。そこで各支店で顧客を買上げ、買取り客専門の担当者を1人採用し、注文・配送・お知らせ等の解決にあたるよう提案する。顧客1人当たりの単価も含め一刻も早く制度を作って運営していただきたい。
価格改定では様々な費用アップなどのため、4月から食品は一律8%、ローヤルゼリー9%、健康飲料5%、化粧品3%を値上げする。一方で大手百貨店やスーパーで冷食の拡張が進み追い風となった。リアルパーティに加え、4つの新ブランドを登場させるなど数々の新しい販促の柱に挑戦し新しいファンを作っていただきたい。
〈冷食日報2022年1月13日付〉