冷凍機器メーカー エバートロン、冷凍食品を西武池袋本店で発売、水分コントロールで味わいを保持 天ぷらは揚げたてのような食感に
自社商品「リボーンフード」の新商品として、「ぼてぢゅう」の「元祖 とん玉」や「扉温泉明神館」の「信州福味鶏のコンフィ」などを提案している。加えて、新型コロナウイルスの影響で中止になったフードイベント「激辛グルメ祭り・ガーリック&チーズパラダイス」に出店していた飲食店のメニューも冷凍商品として並べている。
エバートロンは水分子に関する研究を46年行ってきた会社だ。食材の水分子をコントロールすることで、旨味成分や水分の流出を防げるようにしているほか、鮮度維持にもつなげている。エバートロンで販売の、フライヤーに取り付ける調理器具「ドクターフライ」は、電波振動で食材中の水分子を安定化させ、水分が油中に溶け出るのを防げるため油跳ねなどを抑えられるという。また、衣に穴が開かないため、食材のみずみずしさも保てるようだ。
エバートロンではマイナス55度まで低下できる急速アルコール凍結機「WOW Freezer」も開発している。特殊凍結技術を搭載し、ドリップレス凍結を可能にしたという。今回紹介している「リボーンフード」ではこの凍結機を活用し、従来では冷凍すると再現することが非常に難しい天ぷらの食感や、辛み、にんにくの香りなどを解凍しても再現できている。エバートロンの担当者は「食べてもらえば食感の違いなど、普通の冷凍食品では味わえない」と自信を見せる。
催事で紹介している商品は、「リボーンフード」では「天ぷら盛り合わせ」や、「海老の天ぷら」、「麻婆豆腐」、「グリーンカレー」、「扉温泉明神館 信州福味鶏のコンフィ」、「扉温泉明神館 カリフラワークリームのドリア」、「ぼてぢゅう 元祖とん玉」、「マンゴーのデザートスープ(タピオカ入り)」、「ブリの照焼ステーキ(塩分50%カット)」など22種類を用意している。また、フードイベントの商品は12種類をそろえた。
「ブリの照焼ステーキ(塩分50%カット)」と「天ぷら盛り合わせ」、「グリーンカレー」を実際に食べてみると、「ブリの照焼ステーキ」は塩分を減らしたことを感じさせないぐらい味付けはしっかりとしていた。「天ぷら盛り合わせ」は歯切れの良い食感を楽しめた。「グリーンカレー」はココナッツの香りと共に、香辛料の辛さを味わうことができた。
〈エバートロン「まずは名前だけでも」〉
今回、なぜエバーフードが催事に出店したか、そごう・西武で営業支援担当課長を務める土屋加津子さんに聞くと「元々、調理器具を通じてエバートロンとつながりがあった」と話す。冷凍食品のニーズが高まっているものの、百貨店ではどのような商品が受け入れられるか、模索していたという。催事などを通じて、今後の売り場づくりなどに活かしたい考えだ。
エバートロンも、今回の催事で新商品を追加するなど力を注いでいる。エバートロンの田中久雄会長は「催事を通じて、まずは名前だけでも知ってもらいたい。そして一度、食べて欲しい」と力を込める。今後は、行列のできる有名店の味を再現した商品など、「リボーンフード」シリーズの更なる拡充や、海外展開も視野に取り組みを進める。
〈冷食日報2022年1月14日付〉