マルハニチロ「えびそば一幻 あじわいえびみそ」など2022年秋の家庭用冷食新商品・改良品20品発表
マルハニチロは7月7日、2022年秋の家庭用冷凍食品新商品として新商品12品・リニューアル品8品の計20品を9月1日に全国で発売すると発表した。
【関連記事】マルハニチロ「新中華街」肉焼売・黄金の海老しゅうまい発売、市場の底上げ図る/2022年春季冷食新商品
今回は冷凍麺類の生産設備増強もあり、伸長する家庭用冷凍食品市場でも特に伸長率の高いラーメンと焼そばで新商品3品を投入し、ラインアップを拡充する。
家庭用冷凍食品新商品12品合計の販売計画は年間37億円。12品の内訳は麺類3品、弁当品6品(うち食卓惣菜タイプ3品)、米飯(WILDish)1品、点心(ニラ饅頭)1品、素材品1品となる。
7月7日に行われたオンライン上での新商品発表会で、商品の説明を行った若宮靖史常務執行役員加工食品ユニット長兼ファインケミカルユニット長によると、家庭用冷凍食品の購入金額年度別推移で、2021年度は前年に続き高い家庭内喫食率が継続し、また、冷食ユーザーの拡大と定着が進み、2018年度対比127%と持続的に市場が拡大しているという。
カテゴリー別購入金額推移を見ると、冷食市場で最大のカテゴリーは麺類で、伸長率も高く、同125%となっている。麺類の中ではパスタが4割強と最大規模だが、伸長率ではラーメンが同152%、焼きそば類が同155%と大きく拡大しているという。
そこで今秋新商品では麺カテゴリーの強化を目指し、〈1〉「新中華街」シリーズのラインアップ強化〈2〉新たなターゲット層を取り込むべく有名店とのコラボ品を展開――の2つのテーマで商品を開発した。
「新中華街」シリーズの麺類は、40代以上の女性層の購入率が高いことから、この購買層をターゲットに焼そば・ラーメンの新商品を投入し、ラインアップを強化する。「新中華街 海鮮あんかけ焼そば」(319g)は、海鮮の旨味が凝縮された塩味ベースの上品な餡と、香ばしい両面焼き麺の相性が特徴の1品。海老、いか、もやし、白菜、きくらげ、人参、青葱の7つの具材入り。また、トレー入りでお皿いらずでレンジ調理できる。生産工場は大江工場。
「新中華街 鶏白湯ラーメン」(404g)は、赤坂璃宮・譚オーナーシェフ監修の、鶏の旨味あふれる特製鶏白湯スープが特徴の1品。麺はつるみのある特製中太麺を使用。白菜、もやし、刻みチャーシュー、ねぎ、玉ねぎと5種の具材が入る。調理方法は電子レンジ/電子レンジと鍋。生産工場は大江工場。
また、冷凍ラーメン購買層の性年代別の動向で、2021年度の購入金額は、30代男性で2018年度比157%、40代男性で同171%と大きく拡大。この年代では、在宅勤務の定着などで外食機会が減り、家庭内喫食が増加したことから、冷凍麺類の新たな需要が生まれていると見られる。
このターゲットに向けて、マルハニチロ初となる有名ラーメン店とのコラボ商品「えびそば一幻 あじわいえびみそ」(368g)を発売。北海道のえびそばの有名店「一幻」の全面協力のもと、えびの旨味と風味が凝縮された人気No.1メニューを冷凍ラーメンで実現。麺はスープによくからむ、コシのある自家製中太麺を使用、具材には特製チャーシュー、青ねぎおよび、えびそば一幻ならではのトッピング「えび風味揚げ玉」を別添している。調理方法は鍋/電子レンジ。生産工場はマルハニチロ九州。
若宮常務によれば、今回麺類3品を投入できた背景には、昨年度までひっ迫していた麺類の生産設備が、増強により余力ができたことが挙げられるという。今年8月、群馬工場の焼そばラインが稼働することで、焼そばの生産能力が倍増することが見込まれる。また、ラーメン類のラインを持つマルハニチロ九州でも昨年に設備投資し、製造能力が1.2倍に拡大。これらにより、大江工場にも余力ができたことが今回の新商品3品の投入にも繋がったという。
また、今後もまた成長余地が大きいとみられる麺類では、ブランド・ノウハウ・営業力を持つラーメン・焼そば類に集中して売上拡大を目指し、有名店コラボ商品は今後も検討していくという。
〈冷食日報2022年7月8日付〉