メルシャンの昨年実績は2%増の714万c/s、今年は722万c/s目指す
【2017年振り返り】 「日本ワインの育成」「注力ブランド強化」「ワインのすそ野拡大」と3つの柱を軸に活動を展開した。昨年140周年を迎えた日本ワインでは、自社管理畑の拡大やワイナリー新設の発表に加え、「シャトー・メルシャン」のブランドコンサルティングに大橋健一MWを起用するなど、さまざまな情報発信を行った。結果、「シャトー・メルシャン」は前年比6%増と伸長。注力ブランドの「カッシェロ・デル・ディアブロ」も、前年数量比12%増を記録。1月にリニューアルした「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」も4%増で、11年連続No.1を達成できた。すそ野拡大のために投入した「ワールドセレクション」も11月には年間目標の10万c/sを達成している。
【2018年活動方針】 数々のイノベーションで日本のワイン市場に貢献してきたことは我々の誇り。ワイン市場は、中長期的安定成長の潜在力があるが、イノベーションが大切になる。すべての領域でニーズを読み取り、挑戦を続けたい。
また、為替や原料の影響を受けやすいワインだからこそ、生産性を向上し、収益性を高めることも重要になる。売上拡大と生産性向上で、ワインのおいしい未来を創っていきたい。今年は、ファインワイン・中価格帯・国内製造デイリー、輸入デイリーと「すべての領域」でイノベーションを起こす。
今年の注力ブランドは、表のとおり。キリンのCSVコミットメントでは、「シャトー・メルシャン事業を中心に「地域社会への貢献」を進める。販売目標は前年比1%増の722万c/s。
2018年の注力ブランド
【今年のワイン事業】「フロンテラ」に「プレミアム」投入、「カッシェロ」から小容量も
今年は、「基幹ブランドへの選択と集中」「ファインワイン・中価格への果敢なチャレンジ」「ワイン間口拡大へ新カテゴリー獲得」「シャトー・メルシャンのさらなる成長」の4つを活動の柱とする。輸入ワインNo.1のチリワインでは、価格帯別戦略を継続強化。「コンチャ・イ・トロ」各ブランドのさらなる価値浸透を図る。昨年50万c/s超となった「フロンテラ」では、2月に収穫や造りにこだわったワンランク上の「フロンテラ プレミアム」4品を投入。カテゴリーの活性化を図り、12%増の56万c/sを目指す。
昨年10万c/sを突破した「カッシェロ・デル・ディアブロ」でも立体的なプロモーションを進化させるとともに、2月にはトライアル需要を喚起する小容量ボトルと、ワインミドル層への提案として「レッドブレンド」を発売。6月と9月に季節限定品を投入し、広く認知されるワインブランドへ育成。13万c/sを目指す。日本ワインの目標は4万c/s。香港への輸出も好調な「シャトー・メルシャン」は、商品・産地・コミュニケーション強化で11%増目標。ファインワイン・中価格帯の注力ブランドでは、「ロバート・モンダヴィ」でアンバサダーを採用し、物語性を再訴求。ビオワイン「ドメーヌ・カズ」にはエントリーレンジとなる新商品「ベル・フルール」を投入し、間口拡大を図る。
〈酒類飲料日報 2018年1月22日付より〉