酒税法改正に伴い、かつおぶしを使った“ビール”発売/ヤッホーブルーイング
同品は2016年7月より、初の輸出専用商品として開発し、アメリカ市場で人気を博していた。原材料に「かつおぶし」を採用し、うまみ成分で酵母の働きを活性化させたもの。16年10月には同社通販サイトなどでも販売を開始。酒税法改正に伴い、ビールに使用できる原材料が追加されることから、「今後は正々堂々と“ビール”として販売できる」(同社代表取締役社長井手直行氏)。4月1日同社出荷分から「ビール」として発売する。かつおぶしのほか、コリアンダーシードとオレンジピールも使用。
14日には、「YONAYONA BEER WORKS 赤坂店」で発表会を開催。広報部原謙太郎氏は、概略以下のように説明した。
原氏=当社は1997年「よなよなエール」を発売。20年目となる昨年、初のリニューアルを行ったところ、前年比71%増を記録した。首都圏での配荷率は、大手ビール会社に迫る高い水準を維持している。
13年連続増収増益で、全国300社近いクラフトブルワリーではシェア・製造量共にトップ。2022年には、ビール市場全体で1~1.5%のシェアを獲得したい。
クラフトビールはブームと言われるが、4月の酒税法改正に伴う新ビール定義に加え、ビール酒税の段階的引き下げなどの追い風もある。ブームに終わらせず、日本の酒類市場に「クラフトビール」カテゴリーを形成したい。
井手氏=「SORRY UMAMI IPA」のコンセプトは「革新的ジャパニーズクラフトビール」。かつおぶしのうまみ成分が酵母の発酵を活性化させることを理論的に突き止めることができた。これまでにないビールであることから、名前もデザインも型破りなものにした。活発な発酵によるクリーンな味わいと、トロピカルなフルーツ香が特長。かつおぶしの味は全くなく、レモンシュリンプや、チキンの香草焼きなどと相性が良い。米国でも引き続き販売していく。
〈酒類飲料日報 2018年3月15日付より〉
ヤッホーブルーイング「SORRY UMAMI IPA」
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