プレミアムビール 20~30代中心に飲用拡大 各社新商品を展開、海外大手も注目
サントリーが実施しているアンケート調査「プレミアムビールレポート2018」によると、「1年前と比べた自宅でのプレミアムビール飲用回数」は、全体の5割以上(52.4%)が「増えた」または「やや増えた」と回答し、特に20~30代で「増えた」とする人が多かった。同社は、「2018年のビール類市場が対前年98%程度と見込まれる中、プレミアムビール市場は前年並になる」と推定。看板商品の「ザ・プレミアム・モルツ」で、購入者250万人に家庭用サーバーをプレゼントするなど、“クリーミーな泡”に着目した〈神泡〉プロモーションを大規模に展開している。
「ザ・プレミアム・モルツ」のプロモーションで提供される「神泡サーバー」(手動式)
〈ビール定義変更で使用原料に広がりも〉
平成29年度税制改正により4月1日からビールの定義が変更、原料の一部に「果実」や「コリアンダー等の香味料」が使用できるようになったことも、プレミアムビール市場の活性化を後押ししている。
レモングラスを使用しつつも本格的なビールのうまさを追求した「グランマイルド」(アサヒビール)、華やかなオレンジピールの余韻が楽しめる「グランドキリン 雨のち太陽、ベルジャンの白」(キリンビール)、グレープフルーツとオレンジのピールを浸漬した「Innovative Brewer ビアチェッロ」(ジャパンプレミアムブリュー=サッポロビール100%子会社)など、各社、特色のある新商品を展開している。
ビール定義変更により誕生した「グランマイルド」「グランドキリン 雨のち太陽、ベルジャンの白」「Innovative Brewer ビアチェッロ」
〈海外大手も「日本にプレミアムビール根付かせる」〉
一方、海外大手も日本のプレミアムビール市場に着目している。
世界No.1シェアのビール企業であるアンハイザー・ブッシュ・インベブは、2015年から2年ほど、販売代理店を通して日本国内のプレミアムビール流通を行っていたが、2017年7月の「コロナビール」販売移管を契機に、ブランディング、マーケティングからセールスまで、一気通貫の取組みを開始。2018年からはベルギービール「ヒューガルデン」などを取扱い開始した。
アンハイザー・ブッシュ・インベブ・ジャパンのCMディレクター・榎本岳也氏は、米国のビール市場について、「1995年、プレミアムビールのシェアは5%くらいだったが、2020年には25%に到達する勢い」と説明。1995年当時の米国のバリュービール、スタンダード価格のメインストリームビール、プレミアムビールの割合が「今の日本と非常に似ている」ことなどを踏まえ、「楽しみやストーリー性を求めてプレミアムビールが一気に拡大したトレンドに、日本も追従する」と分析している。
アンハイザー・ブッシュ・インベブの扱う「コロナビール」「ヒューガルデン」「グースアイランド」
上記に挙げた商品以外にも、各社は続々とプレミアムビールを展開している。今夏はビールファンにとって、例年以上に楽しみが広がる季節となりそうだ。
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