消毒用アルコール代替「砺波野スピリッツ77」で問い合わせ殺到、若鶴酒造「個人向け発送はなし、医療機関はメール・FAXの利用を」
「砺波野スピリッツ77」は、若鶴酒造が新型コロナウイルス対策として、高濃度アルコール需要の急激な高まりに対応し、管理された衛生的な酒造のボトリング設備を活用して、生産を始めた。医薬品や医薬部外品ではないが、消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能だという。
品目はリキュール類。容量300ml、希望小売価格880円(消費税抜)。 アルコール度数は77%と、これまで発売された飲用可能なアルコールのなかでも最高に近い数字となるという。サトウキビ原料のアルコールに加水し、ボトリングした。飲用可能な特定アルコールのため酒税(1本あたり231円)が付加されている。
1日に製造できる上限が決まっているため、供給は週あたり約1000本になる。北陸を中心としたドラッグストア医療機関や、同社直営店に優先供給する。また、売上げの一部を新型コロナウイルスの感染拡大防止にむけた取り組みに寄付する。なお、若鶴酒造は「所有するウイスキーの蒸留器により、(ジン、スピリッツなどの)高濃度アルコールを製造することも検討する」としている。
「砺波野スピリッツ77」は、関連省庁などと連携しながら、4月13日に出荷を開始。若鶴酒造は翌14日、「砺波野スピリット販売について皆様へのお願い」と題し、公式サイトに以下の案内を掲載した。
◆「若鶴酒造公式サイト「砺波野スピリット販売について皆様へのお願い」(一部抜粋)
弊社は小さな酒造です。製造設備も人員も資材倉庫も限られており最大限の努力をもってしてもすべての人に製品をお届けすることはできません。しかし、手の届く範囲でやれることがあればやっていきたいとおもいます。ただ、現実として私たちの力だけではできることに限界があります。そこで皆様におねがいがあります。
まず、医療機関の皆様につきまして電話でのお問い合わせはお控えいただき、メール(info@wakatsuru.co.jp)もしくはFAX(0763-32-1251)でのお問い合わせをお願いいたします。小さな酒造ですので電話回線が限られており回線がパンクしてしまうと業務に支障がでます。資材の入荷や出荷に影響が及べば計画的な製造や必要とされている方に製品を早く届けることが困難になってしまいます。
また、個人のお客様について混乱防止のため一切のお取り置きや入荷についてのご案内、個別の発送はおこなっておりません。直営店の弊社敷地内の「令和蔵」では土日の11:00および14:00より、富山駅内「とやま地酒本舗 蔵の香」では不定期での販売がございます。あくまでも医療機関優先のため、数に限りがありますことをご承知おきください。できるだけ多くのお客様に手に取っていただくため1世帯1本と数を限らせていただきます。
渋滞や行列は地域の住民の皆様にご迷惑となり、感染拡大の観点からも大きなリスクとなります。節度をもってマナーを守り、場内においては誘導指示に従ってください。
不安をかかえて生活していらっしゃる方のお気持ちはもっともです。ただ、そんなときだからこそ他人のことを思いやる心を忘れないでもらえたらと思います。私たちも同じ人間です。行き届かないこともあると思いますが誠心誠意努めてまいりたいとおもいますのでどうかよろしくお願いいたします。