「2020国分輸入洋酒展示試飲会」開催、“現時点で万全の対策”で
1,200平方メートルの会場を時間帯で区切る入れ替え制で、1時間当たりの定員は80名。検温やアルコール消毒に加え、全員にフェイスシールドを義務付けるなど、東京都の「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」に則り、細やかな対策を行っての開催だった。また、スタッフ全員が事前にPCR検査を受け、陰性を確認したという。
開催前に会見した同社取締役常務執行役員の杉野直起氏は、「このタイミングで開催すべきか、真摯に検討したが、感染症予防と経済活動を両立させたいとの思いに加え、酒類業界の早期復興に貢献したいとの強い思いから、会場側の多大なる協力を得て、運営マニュアルを作成し、実施を決めた」と話した。「酒類の販売においては、実際に飲んでいただき、会話をすることが大切だと思う。コロナとの共存を考えざるを得ない時代に、この展示会を開催することで酒類業界への思いを伝え、ホテルやレストラン業界の皆さんのお役に立ちたい」。
国分 マーケティング開発部開発二課・網島隆氏(左)と、取締役常務執行役員・杉野直起氏(右)
また、同社マーケティング統括部マーケティング開発部開発二課網島隆氏が、感染対策について説明した。 「ソーシャルディスタンス」「飛沫防止」「接触防止」「試飲で飲みきれなかった分の処理」の4点への対策に加え、会場となったホテル側にも空気を滞留させないよう、最大限の協力を依頼した。
ソーシャルディスタンスにおいては、互いに2mの距離を確保するため、ひとりあたり4平方メートル換算で定員が300人。さらにブース面積分を考慮して、定員半分以下の140名(来場者80名+スタッフ60名)で設定。飛沫防止に関しては、全員にフェイスシールドを配布。試飲では基本的に飲み切りをお願いするが、吐器の代わりにペーパーナプキンを詰めた小ぶりの紙コップを6,000個用意。一回ごとに破棄する形をとった。
「現時点で万全かつ最良の対策をとった。当社の展示会をきっかけに、今後もコロナに怯えることなく、少しでもリスクを減らした開催ができるよう、皆でさまざまな工夫や改善を積み重ねていきたい」(網島氏)。
〈6月は量販市場が好調、「店頭でのワインの単価も上がっている」〉
展示会では同社が輸入販売するワイン・ウイスキー・リキュールなど300アイテム超を出品。
ワインでは、昨年10万ケース超を売り上げたフランスNo.1ブランド「ロシュマゼ」の新商品を9月の発売に先駆けてお披露目。今年は15万ケースを目指す。また、4月発売のアメリカワイン「アポシック」(E&Jガロ)なども勧めた。また、昨年子会社となったヌーヴェル・セレクションのブースも設置し、幅広いワインのラインナップを訴求した。
ウイスキーでは、アメリカ最古の蒸留所「バッファロートレース」から6月に拡充した新商品をそろえたほか、新規取り扱いのプレミアムクラフトバーボン「E.H.テイラーJR.」も出品したが、初回分は既に完売したという。
「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2020」洋酒部門で最高金賞を受賞した「トマーティン30年」、「ワールド・ジン・アワード2020」ロンドンドライジン部門で世界最高賞に輝いた南アフリカ産ドライジン「KWV クラックスランド ジン」にも注目が集まった。
なお、コロナ禍で4月以降は厳しい状況だったが、6月は「業務用こそ苦戦したものの、小売が2ケタに近い伸びで、前年比5%減と、満足のいく数字が残せた」という。「家飲み需要が広がる中、業務用に強いブランドは厳しかったが、ワインは“ロシュマゼ”が2ケタ増。4月後半からはワインの単価が上がる傾向にある」。
〈酒類飲料日報2020年7月16日付〉