「酒類販売事業者支援」決定、国が自治体による支援を後押し
政府は5月7日の新型コロナウイルス感染症対策本部で「酒類販売事業者に対する支援」を決めた。
緊急事態宣言の延長により、酒類を提供する飲食店等に対する休業要請が長期化しており、影響を受ける酒類販売事業者に対する都道府県の支援を後押しする。休業・時短要請を受ける飲食業の取引先に対する月次支援金について、特に影響の大きい酒類販売事業者への支援に都道府県による上乗せ、売上要件緩和を行う際に国から財政支援を行うもの。
酒類の提供を停止する飲食店と取引のある酒類販売事業者に対し、国の支給する月次支援金について、都道府県が、
〈1〉上限の上乗せを行う場合(2倍まで)
〈2〉売上50%減等の要件を緩和(売上30%減まで)する場合
――に、国が地方創生臨時交付金の協力要請推進枠を活用し、財政支援を行う。
月次支援金の対象者は、「飲食店の休業・時短営業」や「外出自粛等」の影響により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等だが、上乗せ、緩和の財政支援は「酒類販売事業者」を対象としている。これについては、国税庁から地方自治体へ、積極的な取組を要請していく。
4月30日には、国税庁と内閣府地方創生推進室から都道府県に対し、酒類製造事業者を含む酒類販売事業者の経営への甚大な影響を鑑み、国からの支援金の額では不足する場合の上乗せ支援や、売上減少要件を緩和する横出し支援を“地方創生臨時交付金の事業者支援分”を用いて積極的に行うよう呼び掛けていた。7日には、決定を受け、国税庁から都道府県に対し“地方創生臨時交付金の協力要請推進枠”の活用の検討を求め、酒類販売事業者への積極的な支援を行うよう要請した。
「都道府県における主な地方創生臨時交付金の活用事例」(国税庁)
〈酒類飲料日報2021年5月12日付〉