16年家計調査、豚肉、鶏肉は支出金額が減少も、購入数量は増加
総務省統計局が17日に発表した2016年の年間家計調査によると、全国1世帯当たり(2人以上の世帯、農林漁家世帯除く)の生鮮肉類の支出金額は、前年比0.8%増、購入数量は4.0%増となった。数年間継続して主要食肉の価格が高騰を続けてきたが、16年は豚肉で夏場を中心に国内相場が低下、鶏肉は年間を通して相場が安定した。このため、価格優位性のある豚肉・鶏肉では支出金額は減少したものの購入数量が増加した。食肉については、毎年の高騰で支出金額が年々増加を続けてきていたため、消費しやすい価格に近付いてきたことが数量増につながった要因と見られる。
16年の食料の支出金額は前年比1.0%増の95万414円となった。生鮮肉類は食料支出の7.5%を占める。生鮮肉類の割合は15年から0.1ポイント低下した。食料の支出金額の増加は、夏以降の天候不順による野菜の高騰、一部魚介類の不漁による高騰などが影響している。食料品消費の負担が増加する中、豚肉、鶏肉など価格の下落があった食肉では購入数量が増加する結果となった。一方で、牛肉は15年までの傾向と異なり、購入数量が増加に反転した。これは、高騰を続ける国産牛肉では、価格の高さからこれ以上の価格転嫁が難しかったことや、供給の少なさと価格の高さから、一部で輸入牛肉へ消費がシフトしたことなどが影響したと見られる。