4月の鶏肉需給展望 相場はモモ、ムネとも高値で保合か

3月の鶏肉相場は、モモは2月の高値からある程度落ち着き、ムネではじわじわと上昇を続けた。日経平均では、モモは670円台後半から670円前後へ下落、ムネは310円前後から、310円台後半まで上昇している。4月1日はモモ668円、ムネ318円となった。

ブラジル産鶏肉の現地不正問題から、月後半には国産鶏肉への引合いも強まったが、価格差から単純な代替は難しく、国産相場への影響は限定的となった。ただ、国産モモ肉は高水準を維持し、ムネ肉は強保合となっており、国産相場の下支えの一因になっていると考えられる。また、ブラジル産モモ肉は、報道当初は量販店などで販売を見合わせる動きもあったものの、日本向けでは1施設のみでの不正の問題であり使用再開も進んでいる模様。ブラジル産鶏肉は、もともと外貨高から現地船積みが少なく、国内では厚労省の検査強化もあってひっ迫感は強まっている。副産物への需要では、寒さがやわらぎ、手羽先の需要は増えている。手羽元は、調味料のテレビCMでの採用もあり、需要は続いている。生産面では、若干増体が良くない産地もある。

国産生鮮モモは、例年であれば年明けに下落傾向となる。ことしは下げずに2月に急騰し、3月に揺り戻しがあったものの、高水準が続いている。4月以降は、寒さの落着きからモモの需要も弱含むとは思われるが、現状ではそこそこの引合いが続いている。ブラジル産モモが不足している状況で、学校給食の再開、4月最終週にはゴールデンウィークの準備などもあり、月内はほぼ保合となるか。ムネでは、引続き需要が強くブラジル産の相場高による底上げもあって下げ要因は無い。既にかなり上昇している中、4月も大きく上げるとは考えづらく、保合から強保合と考えられる。ただし、1~3月に生鮮での販売が好調だったこともあり、凍結在庫はたまっておらず、ブラジル産の不足の煽りを受けて上昇する可能性も。