【16年度養豚農業実態調査】 今後の経営は「現状維持」が6割、「拡大」3割
日本養豚協会(JPPA、志澤勝会長)がこのほど取りまとめた16年度養豚農業実態調査(16年8月1日現在)では、前年度調査に続いて全国養豚経営体から今後の経営方針に対する意識調査も行っている。今後の国産豚肉の動向をみる指標となるが、回答の約6割が「現状維持」としている一方、「経営拡大」は3割となった。残る1割の「経営縮小」のうち、5割弱が「近く廃業」を検討しており、その理由として、負債や飼料など生産資材の高騰よりも後継者問題や労働力が確保できないなどの問題が深刻となっている。
[経営の推移と今後の動向] 全国737経営体(前年は農場数)のうち、繁殖豚の飼養頭数を前年同期と比べて「増やした」とする経営体は全体の12.1%(前年10.7%)、「変わらない」が74.9%(74.9%)、「減らした」が13.0%(14.4%)と、増やすよりも減らした割合が上回った。北海道・東北と九州・沖縄では「増やした」割合の方が上回った半面、関東、北陸、東海、中国・四国で「減らした」割合が顕著となった。
繁殖豚の頭数を増やした理由としては、「計画していた豚舎が完成した」「1頭当たりの収益性が低下したので収益を守るために増頭」がともに24.7%と高く、次いで「事情により生産を縮小していたのを元に戻した」が18.7%に上っている。
逆に減らした理由には、「老齢化で労働が厳しくなったから」が25.8%、「労働力が確保できなかった」15.7%、「疾病対策で豚を入れ替えるため」が12.4%と続いた。「廃業するため」は全国平均では7.9%と4番目(その他36.0%除く)だが、ブロック別では北海道・東北(18.8%)、北陸(14.3%)で平均を上回る。