【17年度上半期食肉販売動向調査結果①】和牛から交雑種、乳用種、豚肉、鶏肉にもシフト、相場上昇の価格転嫁が困難-農畜産業振興機構

農畜産業振興機構は12日、食肉販売動向調査結果(17年度上半期)を発表した。食肉の販売動向は、牛肉は仕入価格上昇分の価格転嫁が困難な和牛から交雑種や乳用種、価格が低下している米国産牛肉のほか、豚肉や鶏肉にシフトする見通しとなっている。豚肉では、高値が続く牛肉からのシフトにより、国産品のほか輸入品、中でもカナダ産の増加が見込まれるという。

【卸売業者の仕向け先別販売割合・牛肉】16年度下半期の卸売業者の牛肉の仕向け先別の反対割合の実績(重量ベース、以下同じ)は、和牛については「量販店・食肉専門店」が最も多く57%、次いで「二次卸売業者」が21%、「外食店」が13%となった。和牛を除く国産品では、「量販店・食肉専門店」が53%、「二次卸売業者」が19%、「外食店」が9%となった。

冷蔵輸入品は、「量販店・食肉専門店」が37%、「二次卸売業者」が25%、「外食店」が17%となった。冷凍輸入品は、「二次卸売業者」が27%、「外食店」が23%、「食肉加工業者」が18%となった。輸入品は業務用向けが多いが、和牛および国産品は5割以上が量販店・食肉専門店向けであり、国産志向が強いことがうかがえるという。

【同・豚肉】16年度下半期の卸売り業者の豚肉の仕向け先別販売割合は、国産品では「量販店・食肉専門店」が最も多く62%、食肉加工業者が13%、「二次卸売業者」が11%となった。冷蔵輸入品は、「量販店・食肉専門店」が58%、「二次卸売業者」が15%、「外食店」が13%となった。冷凍輸入品では、「二次卸売業者」が37%、「食肉加工業者」が29%、「量販店・食肉専門店」および「外食店」が12%となった。

国産品と冷蔵輸入品は、約6割が量販店・食肉専門店向けであり、消費者の国産志向および低価格志向の両方に対応するため、品ぞろえを拡充していることがうかがえる。国産品の卸売価格の変動が大きいことも結果として輸入品の増加につながっているとの意見も挙げられた。