17年対日輸出はビーフで12%増26.7万t、ポークは3%増36.5万t
米国食肉輸出連合会(UsMEF)のフィリップ・セング会長兼CEO(=写真)は18日、東京都内で記者会見し、17年の対日輸出目標について、アメリカン・ビーフは対前年比12%増の26.7万t(内臓含む)、アメリカン・ポークで3%増の36.5万t(シーズンドポーク含む)と発表した。また、日米間のビーフ・ポークの関税は過去の合意によるものであるとし、「食肉業界としては、日米両政府が迅速にFTAであれ何らかの貿易上の取り決めを締結することを望む」と述べた。また、同日開催されるマイク・ペンス米国副大統領と麻生太郎副総理兼財務大臣との日米経済対話については、「食肉業界としては、FTAへの言及があればうれしく思う」と早期の日米2国間のFTA締結に期待を示した。
セング会長は、ビーフ・ポークの対日輸出の動向、日本市場の消費の変化、米国の生産状況を説明したうえで、「日本市場は競争が激しく、ポークは25カ国、ビーフは8カ国から輸入されている。そのなかでFTA・EPAにより、有利・不利が生じている。商業的な競争に加え、貿易制度上の競争も起きている。日米間のビーフの取り決めは88年にさかのぼり、日豪EPAは3年前に締結された。その結果、ビーフの関税はフローズンで米国産が38.5%にあるのに対して、豪州は27.2%となっている。EPAにより圧倒的に不利になっている。ポークは71年の取決めであり、そろそろビーフ・ポークとも再検討する時期にある。米国の食肉業界としてはTPPに関心を寄せていたが、米国現政権では俎上に乗っておらず、時間が経てば経つほど豪州が有利になる。業界としては日米両政府が迅速にFTA協定を締結することを歓迎する」と述べた。
そのうえで、米国から見た日本市場として、「安倍政権は、デフレ対策に取り組んでいるものの、イオンが価格を下げて消費喚起を行っている状況だ。米国産牛肉の関税38.5%は購買を阻害する。食品産業は1千万人を雇用し、これは労働人口の20%を占める。関税の低下は、経済の大きな刺激策となる」と指摘した。