和牛マスター食肉センター(姫路)が竣工、最新の衛生施設で輸出認定目指す
和牛マスター株式会社と姫路畜産荷受株式会社は23日、和牛マスター食肉センター竣工式典および枝肉即売会、竣工記念共励会を開いた。和牛マスター食肉センターは、輸出認定施設をにらみ、近代的な食肉センターとして兵庫県姫路市東郷町に建設を進めていたもの。
もともと姫路市が開設した従来の食肉センターが老朽化したこと、さらに地域食肉産業の振興のため、民間事業者である和牛マスターにより規模と機能を大幅に拡充した食肉センターとして再整備した。FSSC22000を取得予定のほか、米国、EU、アジア各国に向けた牛肉輸出認定取得を予定している。神戸ビーフは、兵庫県内でのと畜が原則だが、EU、米国、香港、シンガポール向けには特例としてサンキョウミート(鹿児島県)でと畜処理が行われており、和牛マスターでの早期の輸出認定取得が期待される。
食肉センターは敷地面積1万2,596㎡、建物床面積1万7,426㎡、鉄骨5階建てで、1階が係留場、と畜場、解体室、内臓処理室、トラック搬出プラット、2階は従業員休憩室など、3階は枝肉保管庫、セリ室、カット室(2ライン)、4階は休憩室(セリ室モニター付き)など、5階は和牛マスター・姫路畜産荷受事務所、駐車場となる。
牛のみをと畜し、1日当たり最大200頭のと畜能力を持つ。1カ所で枝肉100頭以上が入る冷蔵庫を4カ所持ち、合計で500~600頭分の枝肉を収容できる。冷蔵庫ごとに温度を変えることで、段階的に温度を下げる。枝肉保管庫とセリ室は完全に分離され、セリはガラス越しに枝肉を見て行う。セリ室には、80台の机上モニターが設置され、画面で枝肉情報(枝断面の画像、格付、ロース芯、バラ厚、BMs,歩留、重量、月齢、産地、銘柄、生産者)が表示され、この情報を確認しながら落札する。
当日は午前9時から新食肉センターの内覧会、10時からちぎり方式による枝肉即売会、10時45分からは神戸ビーフをはじめ各地の産地銘柄牛合計120頭を集めた竣工記念共励会が行われた。枝肉即売会には、姫路和牛、野崎牛、まつなが和牛など96頭が出展されたが、30分以上前から冷蔵庫の前には列ができ、開場と同時にお目当ての枝肉へ殺到、瞬く間に完売した。竣工記念共励会には120頭が出品され、名誉賞には兵庫県洲本市の田中やよひ氏の出品牛(去勢、A5、448kg、神戸肉)が選ばれ、神戸石田屋が神戸ビーフでも過去最高の枝単価2万20円で落札した。