ハム・ソーが苦戦するも総菜など他事業が補う-丸大食品・百済社長
丸大食品は15日、17年3月期決算を発表した。同日、百済徳男代表取締役社長、加藤伸佳取締役経理部長らが出席して決算説明会を開き、百済社長は前期について、「主力のハム・ソーが売上げと利益を落としているので、良かったといえる期ではなかった。ただ、全体ではハム・ソー以外で補えており、まずまずと思っている」と述べた=写真。
前期業績の主な要因について、「主力のハム・ソーの売上げ減が大きかった。ハム・ソー全体の売上げは2.4%減だったが、全体の生産量は変わらなかった。食肉部門は相場の回復に伴い収益が回復してハム・ソーのマイナスを補った。総菜も比較的安定しているチキン総菜を中心に売上げが伸びており、チキン総菜は3年連続で2ケタ伸長している。また、グループ各社の売上げは比較的伸びている。安曇野食品工房では2年連続で多額の投資をしており、一過性ではあるが償却で収益力が減っている。これは時間の経過とともに良くなると思う」と総括した。
ハム・ソーの苦戦理由については、「ハム・ソーは価格競争の結果、苦戦した。市場は大きくなっていないが、競合他社の新工場が稼働を開始するなど競争をする条件ができてきた。対抗する手段が少し遅れた結果が売上げに表れ苦戦した。また、ハム・ソーでは新商品の寄与率が低かった」と価格競争の影響が大きかったことを挙げた。前期のベンダー事業について、「売上げは伸びている。ただ、得意先の再編により、チルドと常温の商品を別々の工場で作るように切り替えられている。それに伴い、自社の工場も切り替えを行い、設備を一新した。それが影響して年間を通してやや減益となっている」と状況を説明した。
今期の取組みについて、「前期は98億円を投資したが、今期は107億円を予定している。主な投資として神奈川・横須賀市の追浜に2,000坪強のベンダー工場を建てる。投資額は54億2,000万円を予定しており、来年3月には完成する。新工場では人材を確保するため、保育園の併設を予定している。設備投資をすることで増収を図る」と注力点を語った。このほか、「ハム・ソーの設備更新では30億~40億円を予定している。今まではハム・ソー向けの投資が圧倒的に多かったが、現在はハム・ソーと並ぶぐらいグループ会社の設備投資が大きくなった」と説明した。