フローズン牛肉の基準数量、4~5月で7割消化、sGの懸念高まる-財務省告示
財務省が6月30日付官報で告示した17年度の牛肉・豚肉の輸入数量によると、フローズン牛肉は5月の輸入量が予想以上に多かったことを受けて、4~5月段階で輸入基準数量の残枠が2.7万t、協定外で約8,900tとなり、緊急措置発動の懸念が高まっている。
14年度の関税暫定措置法の改正で、牛肉の緊急措置は、▽輸入基準数量(全世界から輸入数量が対前年度比117%超えること)▽協定対象外輸入基準数量(日豪EPAの適用を受けた豪州産牛肉と日墨・日智EPAの関税割当部分を除外した輸入数量が対前年度比117%を超えること)–2つの条件をともに満たした場合に緊急措置が発動する仕組みとなっている。ただ、豪州産は日豪EPA協定により特別セーフガードが適用されるため、これらの関税緊急措置の適用対象から除外される。
5月のフローズン牛肉の輸入量は3.4万t(前年同月比26.6%増)、協定外輸入で1.5万t(同33.3%増)といずれも前年実績より3割前後増加。年度累計では6.2万t(前年同期比7.6%増)、協定外で2.7万t(同18.9%増)となった。この結果、第1四半期の発動基準数量に対して70%、協定外で75%の消化率となっている。チルド牛肉も5月は2.3万t(15.1%増)、協定外で1.2万t(30.8%増)と多く、年度累計では4.5万t(12.2%増)、協定外で2.4万t(33.5%増)に上っている。こちらは61%、協定外で73%の消化率となっている。また豚肉の累計輸入量は13.7万tで前年同期比6.1%増となっており、60%の消化率だった。また豪州産牛肉の累計輸入量は、チルドが2.1万t(前年同期比5.0%減)、フローズンが3.5万t(0.6%減)。
農畜産業振興機の需給予測(6月23日発表)によると、フローズン牛肉の輸入量は5月が2万9,500t、6月は2万5,500t、7月が2万7,400tと予測していた。実際の5月輸入量は3.4万tと4千tほど多かったため、6月の積残し(未通関在庫)は少ないとみられるが、それでも2.5万tを超える輸入となるか際どい線といえる。