肉用子牛が大幅値上がり、肉畜の上り幅を上回る-16年物価指数
農水省統計部がこのほど公表した16年の農業物価指数・農業生産資材価格指数によると、基準年の2010年を100とした畜産物の物価指数は132.9となり前年比で4.8%上昇した。とくに肉用子牛など子畜が分娩頭数の減少で大きく上昇したことが大きく、うち肉畜が127.4で同0.4%わずかに下落したのに対して、子畜が206.4と6年前と比べて2倍になっており、前年比でも24.1%と大幅に上昇している。今年の牛枝肉相場はすでに軟調で推移しており、この間の素畜価格の高騰が、今後の肥育農家の採算を大きく圧迫してくるものとみられる。
16年の肉畜の指数で最も高いのが乳用おす肥育で172.1だったが、前年比で最も伸長したのは和牛めすで13.1%上昇した。東日本大震災があった11年は肉用牛はすべてマイナスとなったものの、その後の出荷頭数の減少に伴う枝肉相場の高騰によって6年間で5~7割も増加となっている。また肉豚は13年夏の影響やPEDによる出荷減、牛肉相場高の代替需要から14年以降、10年比で3割弱伸びており、16年はPED発生減少に伴う出荷頭数の増加から6.0%下落した。ブロイラーも国内消費が好調なことを反映して14年以降は10年に対して1割ほど伸長している。
一方、基準年に対する子畜の値上がりは肉畜のそれよりも大きく上回っている。13年以降、大幅に上昇してており、和牛はおす・めすそれぞれ216.1・209.5と2倍の伸びとなった。ホルスおすも出回頭数の減少で253.1、前年比で18.2%上昇。交雑種の195.9で同29.6%大きく上昇した。