8月の鶏肉需給展望 モモ肉は下落を継続し、日経平均で570円前後の展開か
7月の鶏肉相場は、モモが7日の日経平均で592円と600円を下回り、その後もじわじわと下落し、月末には570円台となった。これに対してムネは中旬まで330円前後で推移し、下旬には320円台での推移となった。
7月は、消費が盛り上がるイベントも少なく、下旬には給食が終わり需要面で弱含み下落した。特にモモで動きが鈍っており、8月は弱含むと見られる。ムネの需要も一時期から比べ落ち着いてきてはいるものの、動きは引続きそこそこで相場はほぼ保合となると考えられる。ムネでは、テーブル向けに健康志向の訴求の効果や、輸入品の価格水準が昨年に比べ高いことで、下落したとはいっても前年を50円以上上回る水準が続いている。生産面では、一部で熱死や暑さからエサの食いつきが悪く、増体の良くない産地もあったものの、全体的にはそこそこの状況で需給が締まるほどの減少はない。
8月1日の日経平均では、モモは577円、ムネは318円となっている。1カ月間学校給食がないなかで、モモは不需要期で弱含み、ムネはほぼ保合で推移すると考えられる。輸入品では、ブラジル現地価格の高止まりや、昨年を大きく下回る在庫水準から価格が上昇しており、特に価格の近いムネ肉の相場の下支えになると考えられる。また、現状の高止まりの影響で、年内は高値の相場が続く見通し。
9月以降は学校給食も再開し、秋口が近づくことでモモ肉の相場も上昇すると見られる。モモ肉の下落と、ムネ肉の価格水準の上昇には、末端でムネ肉のフェースが広がり、鶏肉に対する需要のシェアの一部がモモからムネに移行している面もあるとの見方も。