7月の黒毛74.9万円と前月比2.6万円安に、前年比では4.0%安-機構・素牛価格

2017年7月の肉用素牛価格は、黒毛和種で前月比2.6万円安の74.9万円と続落した。過去最高値を記録した16年12月の85.2万円から10万円強の下げとなり、下げ傾向が鮮明になってきた。今後、高値の素牛を肥育した肉牛が出荷される一方で、枝肉価格も下げており、牛マルキンが発動するにしても肥育経営の採算が悪化、素牛価格の低下傾向がさらに強まることも想定される。

農畜産業振興機構がまとめた2017年7月の家畜市場の肉用子牛の取引価格(確定値)によると、黒毛和種は前年比で4.0%安の74.9万円、褐毛は5.8%高の71.1万円、交雑種は4.7%安の37.7万円、ホルスは7.4%高の23.0万円となった。黒毛は6月に続き2カ月連続で前年を下回った。また交雑種も2カ月連続で前年を下回った。その一方で、褐毛とここまで前年を下回っていたホルスが前年を上回った。前月比では、黒毛で2万5,737円安、褐毛で2万2,506円高、交雑は8,251円安、ホルスで1万400円高となった。黒毛和種は、6~7月の2カ月で5万円強の下げとなった。

主要市場をみると、鹿児島曽於中央市場が前月比で3万9,473円安の78.9万円、肝属中央は1万7,518円安の79.6万円、宮崎都城で1万8,281円安の76.6万円、ホクレン南北海道で7,373円高の78.0万円、十勝で2万3,391円安の75.2万円となった。6月に5千円弱と下げ幅が小さかった曽於で大幅に下落したほか、各主要市場でも80万円を割り込んだ。なお、南北海道は7千円台の上昇となった。主要市場に聞くと、曽於中央では、「ここまで他県の購買者が、良い牛を高値で買っていたが、7月は他県の購買者の買い気が薄かった」と話している。各市場とも、現状の枝肉価格、今後、子牛の出生頭数もわずかながらも増えてくること、高値の素牛を肥育した肉牛が出荷され肥育農家の採算が悪化することを勘案すれば、子牛市場の下げトレンドは続くと見ている。

褐毛和種は、5月、6月と続落したものの7月は前月比2万2,506円高の71.1万円と上昇した。下げ傾向ながらも頭数が少なく、価格の上下が大きいことで今回は上昇したと見られるが、今後の動向が注視される。交雑種は、前月比8,251円安の37.7万円となった。逆にホルスは前月比1万400円高の23.0円と、4カ月連続で上昇した。