全国出荷増えず、祝日による稼働日の影響で豚価は乱高下の展開
11月上旬の3連休以降の豚枝肉相場は、当初予想した通り下げ基調となったものの、乱高下のある展開となっている。稼働日が少ない関係で1日当たりの出荷・上場頭数が多い日があるものの、急遽出荷キャンセルが生じた産地もあるなど、日によって上場頭数のバラツキも多く、流通サイドとしては相場動向が読み難い状況だ。市中はフローズン玉が極端に少なく、秋口にかけて相場の値下がりを期待していた中小メーカー筋も背に腹は変えられないとして手当てせざるを得ず、大貫正肉など含めて引合いが強く、これが相場の下支えになっている。今月後半も祝日の関係で稼働日が少なく、1日当たりの上場頭数が多めとみられる半面、極端に少ない日もあり、日によって20~30円上下するといった状況が出てきそうだ。
11月は3日の「文化の日」と23日の「勤労感謝の日」と祝日が多いが、問屋筋では末端の消費動向が読み難く、これまで枝肉高・部分肉安で採算割れの厳しい状況が続いていたため思惑的な買いもなく、当用買いに徹している。パーツ別ではバラの引合いは極端に強く、カタロース、ロースなどその他はボチボチといった状況で、末端消費が極端に良いわけでないようだ。
末端の動向は、寒さの強まりでスーパーでは国産スライス系の特売もチラホラみられるものの、やはり傾向としては輸入チルド中心で、一部スーパーではヒレなど在庫を抱えるケースも出ているようだ。動きの鈍いロイン系などは凍結回しにする動きがあるものの、採算面からフレッシュで売り切る動きが強い。また現状の税抜き500円台豚価ではコスト面から凍結玉を仕込むことには慎重にならざるを得ず、当面、品薄状態が解消されることはなさそうだ。来週は「勤労感謝の日」で稼働日も1日少ないため、1日当たりの上場頭数も多くなる計算だが、この間の全国出荷頭数を見る限り、そんなに増えることはないとみられ、日によって相場の上げ下げが大きい展開が続きそうだ。
〈畜産日報2017年11月16日付より〉