〈北海道胆振東部地震〉農作物被害は46億円、生乳・枝肉などで24億円の被害

自民党は9月28日、農林・食料戦略調査会、農林部会、農業基本政策検討会、農林水産災害対策委員会合同会議を開催し、北海道胆振東部地震、台風21号の農林関係被害について農水省から報告を受け、そのうえで、政府への申入れ案を取りまとめた。

北海道胆振東部地震の農林関係被害については、今後変動する可能性があるものの、27日午後5時現在、農林水産関係合計で668億6,000万円に上るとした。このうち、農作物などの被害は46億2,000万円で、家畜は37万6,762頭・羽、約6,000万円の被害、畜産物では生乳や枝肉など2万3,787t、24億2,000万円の被害、畜産用施設では54件、9,000万円の被害などとした。なお生乳の被害には停電による2次被害も含まれている。

政府申入れ案では、北海道胆振東部地震によって、山腹崩壊や農地への土砂流入、畜舎の損壊などが発生し、激甚災害の指定がなされ、大規模停電により、生乳の生産・流通へ影響を与え、酪農に多大な被害が生じているとした。台風21号については、農業用ハウスの倒壊、漁港の損壊などの被害が生じ、被災農林漁業者の不安に応え、経営存続の意欲を確かなものにする必要があるとしている。

具体的には、畜産・酪農関係では、地震による停電の影響により被害を受けた乳牛に対する乳房炎の治療・予防管理や非常用電源の確保などに要する経費の支援、不足する粗飼料の購入に要する経費の支援、酪農・畜産農家の経営安定・生産拡大が図られるための支援を十分に行うことを申し入れている。同時に乳業メーカーに対し、自家発電施設の導入など、停電などの非常時への対応を強化するように指導を行うことも要望している。

ほかにも、被災農林漁業者の既往融資に関し、償還猶予などの措置、新規融資に関して円滑な融資が図れるように対応することや、被災農業者の就労機会の確保を図ること、風評被害の払拭、観光需要の早期復旧に向け、被災地域の食や農泊の魅力の情報発信を支援することなども要望している。