カナダ アルバータ州タニア・ファー大臣がベルクス草加谷塚店でカナダ産食肉の販売を視察
カナダ・アルバータ州のタニア・ファー経済開発貿易・観光大臣が来日し、8日はサンベルクスのスーパーベルクス草加谷塚店を視察した。アンドレ・コーボールド次官、クリストファー・バーカー大臣主席補佐官、アルバータカノーラ生産者委員会のアンドレ・ハープ氏、アルバータ州政府在日事務所のディビッド・アンダーソン駐日代表が参加した。
カナダポークインターナショナルの野村昇司氏、カナダビーフ国際機構の鬼沢裕子氏が同行した。農水省からも生産局畜産部食肉鶏卵課の冨澤宗高食肉需給対策室長らが参加、サンベルクスからは鈴木秀夫代表取締役社長、志水光博精肉商品部長、葛西利男精肉商品部副部長が迎えた。
ベルクスでは、店舗入り口に「アルバータ州の協力で良い食肉がお買得になりました」と大きく張り出し、視察一行とお客さんを迎えた。店内では、カナダ産のビーフ・ポークの特設コーナーを設け、カナダビーフ肩ロースステーキを100gあたり159円(本体)、カナダポーク骨付きロースステーキ(サンテラ)100g当たり199円(同)、カナダポーク味付きカシラ肉(黒こしょう&レモンステーキ)を同99円(同)で販売した。試食したお客さんは、次々とカナダ産食肉を購入していた。
ベルクス店舗入り口に「アルバータ州の協力で良い食肉がお買得になりました」と掲示
サンベルクスの鈴木社長は、「カナダ・アルバータ州の皆さんには、おいしくて安全な食肉を安定して供給していただきたい。当社はそれを消費者の皆さんに提供、大手のチェーンと差別化している」と、カナダ産食肉をあつかう意義を説明した。
アルバータ州のタニア・ファー大臣は、様々な食肉が販売される日本市場に向けて、「今回、新たに大臣に就任し、最初の訪問地を日本としたのは、それだけ日本市場を重要視していることの証。カナダとしては、この市場に対し、関税面のメリットとともに、安全で美味しさを含めて高品質であることを強調したい。安全性については、ただ単に大自然の中で育ったというだけではなく、飼料、土壌などで科学的な根拠を示し差別化して販売する。この機会に、カナダ産食肉の良さを消費者に皆さんにも認知していただきたい」と述べた。
サンベルクスは、「カナダ産ビーフでは、品質面での改善もしていただいた。O157対策で酢酸を噴霧しているが、変色などで歩留まりが悪くなる傾向があった。それを適正な量に改善してもらうなど対応していただいた」と、日本市場のニーズに合わせた柔軟な対応を評価した。その上で、「TPP11により関税面でのメリットが出たことで、米国産に比べ1~2割、売価をダウンすることができた」と述べた。
鈴木社長は、「一人一回に食べる牛肉の量は、過去は200~250gだったが、高齢化で現在は130g~150gとなっている。そうすると、米国産の肩ロースで350円前後、カナダ産は250円前後となる。1食のおかずに使う金額を500円とすると、300円の牛肉に他のおかずを加えることができ、牛肉を食べる機会が増えるのではないか、その実験をしているところだ。カナダ産で関税メリットが出るとともに、本日チリワインを398円で販売している。これはビール大瓶1本と変わらない価格、ワインとカナダビーフで比較的安価に楽しんでいただくことができる。いいものを世界から輸入することで、消費者の皆さんに楽しんでもらうことが当社の方針だ」と、関税などのメリットを消費者にいち早く還元し差別化を進めるとの考えを示した。
〈畜産日報 2019年6月12日付〉