食肉支出金額、4月は気温低く牛肉、豚肉、鶏肉すべてで前年減/総務省家計調査2019年3~5月
総務省が公表した主要6都市の2019年3~5月の家計調査をまとめた。今年のGWは異例の10連休となり、改元の祝賀ムードも加わることで食肉の消費増加が期待された。一方で、量販店などは過去に前例のない10連休の販売予想には苦戦を強いられたようだ。
食肉の支出金額(二人以上の世帯、1世帯当たり1カ月間)は、4月は牛肉、豚肉、鶏肉すべてで前年同月比を下回った。5月は牛肉で前年を上回ったものの、豚肉、鶏肉では前年割れに。GW前半は多くの地域で曇りや雨の日が多く、気温も低めであり食肉の消費はいまいち伸び悩んだようだ。GW後半は好天に恵まれ、改元の祝賀ムードも重なり焼肉やステーキ需要が高まり牛肉消費は好調だった。
[牛肉]
4月は1,682円と前年同月比で2.2%減と減少した。都市別にみると、札幌が56.5%増、名古屋25.6%増と大幅に増加し、大阪は0.7%増加した。一方、仙台25.2%減、東京3.0%減、福岡19.0%減と減少している。気温の影響もあってか、各地で消費動向にバラつきが見られた。
5月は1,777円で同1.6%増加した。札幌では15.2%増、仙台6.6%増、名古屋26.9%増と増加。一方、東京4.0%減、福岡13.9%減、大阪0.4%減と減少した。上述のように気温上昇、改元の祝賀ムードなどでステーキや焼肉用といった高単価商品に需要が集まり、前年を上回った地域もある一方で、大型連休中の集客に苦戦した地域や、連休後の消費疲れ・節約志向により前年割れとなった地域もあった。
[豚肉]
4月は2,394円で同3.9%減、5月は2,393円で同6.7%減とともに減少した。両月とも国内相場がやや高めに推移し、GW期間中は需要が焼肉やステーキといった牛肉にシフトし、豚肉の需要は振るわなかったようだ。都市別では、4月は仙台で13.4%増、福岡が2.6%増となった以外は減少。5月は仙台のみ5.5%増加し、その他は軒並み減少した。
[鶏肉]
4月は1,271円で0.8%減、5月は1,296円で同1.5%減といずれも減少した。豚肉同様にGWは牛肉に需要が流れたことで鶏肉の消費も振るわなかった。GW明けは、節約志向から比較的単価の安い鶏肉への需要が期待されたが、相場安による単価下落の影響もあり前年割れとなった。都市別にみると、4月は札幌が1.6%増、仙台が13.8%増加し、5月は仙台54.7%増、福岡9.8%増加した。
〈畜産日報 2019年7月16日付〉